@misc{oai:repo.qst.go.jp:00076949, author = {楠本, 多聞 and フロム, ミッシェル and サンチェ, レオン and バス, アンドリュ and 小平, 聡 and Kusumoto, Tamon}, month = {Sep}, note = {1. はじめに ポリアリルジグリコールカーボネート(PADC)はCR-39として知られている高感度の高分子系固体飛跡検出器である。我々はPADC中に形成されるイオントラックの構造やその形成メカニズム解明のための研究を体系的に行ってきた。それによると、PADC中の放射線損傷は付与エネルギーでなく、その高分子鎖と相互作用を起こした電子の個数に支配されていることを見出した[1]。特にカーボネートエステル基は複数の電子が作用しなければ損傷を受けないという事が示した。そこで、より詳細にカーボネートエステル基の損傷メカニズムを明らかにするために、アセトアルデヒド及び酢酸を用意し、低エネルギー電子の照射実験を行った(Fig. 1)。カルボニル基(C=O)を含む官能基の低エネルギー電子による損傷のメカニズムの解明に取り組んだ。 2. 結果  0-30 eVの低エネルギー電子を50 Kに冷却したPt板上に凝縮させたアセトアルデヒド及び酢酸に照射し、生じた断片を飛行時間測定型の質量分析器を用いて特定した。CH3-(m/z=15)の収率は電子の照射フルエンスの増加に伴って単調に減少した。これは、電子によるダメージの蓄積による試料の帯電による影響であると考えられる(Fig. 2)。ところが酢酸から脱着されたO-(m/z=16)の収率は照射フルエンスの増加に伴って単調に増加している。アセトアルデヒドからはこのような傾向が確認できなかったため、カルボニル基に隣接する酸素原子の脱着が電子の連続的な照射によって促進されていることを示唆している。このようにカルボニル基を含む官能基の分解は多段階に及んでおり、同様のことがPADC中のカーボネートエステル基にも言える。発表ではPADC中のカーボネートエステル基の詳細な分解過程やそれに伴って放出される二酸化炭素の生成メカニズムにも言及する。, 第62回放射線化学討論会}, title = {低エネルギー電子による有機化合物中カーボネートエステル基の損傷メカニズムの解明}, year = {2019} }