@misc{oai:repo.qst.go.jp:00076776, author = {土居, 主尚 and Doi, Kazutaka}, month = {Sep}, note = {広島・長崎の原爆被爆者を対象とした寿命調査のデータは、放射線リスクの評価や放射線防護基準の策定に重要な役割を果たしている。放射線リスク研究において避けられない線量推定誤差の問題にも膨大な労力が割かれており、放射線疫学研究の中で最も信頼のできる研究の一つとして、得られた知見は世界中で広く利用されている。一方で福島原子力発電所の事故以来、低線量の長期被 ばくのリスクに対する関心が高まっており、長期の低線量の放射線を受けた集団の疫学研究結果が注目されている。一般に放射線疫学のコホート研究では、対象者の様々な背景因子を調整するためにポアソン回帰や Cox 回帰などのモデルを用いた解析が主流であり、低線量長期コホート研究において線量は一定時点までの線量を累積した累積線量が用いられる。しかしながら、そのような累 積線量を用いた解析には、被ばくした時点に依らずそのリスクは一定であるという暗黙の仮定が含まれている。被ばく時年齢によって放射線感受性は変化することが原爆被爆者の疫学研究の結果から示唆されており、長期に渡って曝露を受けるコホートにおいて被ばく時年齢による効果の修飾を考慮できないことは問題である。そこで本研究ではox 回帰における時間依存性共変量の枠組み にて、重み付き累積線量を用いる手法を提案した。提案手法では、各時点における線量の重み付き和として計算され、重み関数には被ばく時年齢の一次式を含む指数関数を仮定した。重み関数のパラメータは他のパラメータと同様に非線形最適化関数によって推定される。提案した手法は、シミュレーション研究によって性能を評価した後、核兵器開発施設における女性作業者の放射線疫学データに適用した。シミュレーション研究の結果、対象者数が 1000 を越え、また被ばく時年齢による放射線感受性が単調に変化する状況では提案手法はほぼバイアスがないことが示唆された。核兵器開発施設における女性作業者のデータに適用したところ、線量あたりの乳がん死亡率は被ばく時年齢の増加と共 に僅かに減少する傾向を示し、被ばく時年齢 60 歳における 10 mSv あたりの死亡率のベースラインに対する増加は、従来の手法では 0.060 であった一方で、提案手法では 0.054 となった。, 2019年度統計関連学会連合大会}, title = {被ばく時年齢による効果の修飾を考慮した放射線データの解析}, year = {2019} }