@misc{oai:repo.qst.go.jp:00076765, author = {鈴木, 碧海 and 横谷, 明徳 and Suzuki, Ami and Yokoya, Akinari}, month = {Sep}, note = {細胞間における情報伝達の方法として、シグナル伝達物質とその受容体による方法やギャップ結合を介したシグナル分子の交換などが挙げられる。このような情報伝達の過程において、シグナル伝達物質のバリエーションに依存するだけではなく、細胞内でのその物質の疎密波も情報の送受信に利用されている可能性を検討したい。本研究では、細胞内でセカンドメッセンジャーとして機能するCa2+に焦点を当てて研究を行う。通常細胞内のCa2+は、細胞内Ca2+貯蔵部位の小胞体で保持され、細胞外に比べて低濃度で保たれている。細胞外から刺激を受けると、Ca2+がIP3/Ca2+チャネルを介して小胞体から放出され、一時的に細胞内のCa2+濃度は上昇する。その後、Ca2+放出に抑制的に働くカルモジュリンにCa2+が結合し活性化することで、Ca2+濃度が下降する。この濃度変化が周期的に起こる現象はカルシウム振動と呼ばれており、様々な生理現象に関与している。本研究では細胞間の情報伝達の前段階として、放射線刺激を受けた細胞内で細胞核を含めたオルガネラ同士が相互に制御する可能性を検討することを目的とした。特に、放射線刺激によって細胞内Ca2+の時間的な振動構造が現れるか否かに注目する。まず、非照射細胞を用いてCa2+濃度の測定法を検討した。 今回は、ヒト正常繊維芽細胞(BJ-1)に対してCa2+特異的な蛍光プローブ(Fluo 4-AM)を導入し、蛍光顕微鏡を用いて蛍光を観察し、タイムラプス撮影(4秒おき、約4分30秒)を行った。また、プローブの導入を確認するために、ポジティブコントロール用薬剤としてイオノマイシンを添加した。 プローブ導入後、イオノマイシンを添加すると蛍光強度の上昇が確認できたことから、細胞内に蛍光プローブが導入されていることが分かった。タイムラプス撮影の結果から、観察開始(0秒)時の蛍光強度を1とした時の相対蛍光強度を算出したところ、多くの細胞で時間経過に伴う若干の蛍光上昇が観察された。この蛍光上昇は、撮影時における励起光の照射効果が表れているのではないかと推測できる。また、一部の細胞で一過性の急激なCa2+濃度の上昇と下降が見られた。これより、細胞内のCa2+濃度変化が蛍光プローブを用いて観察できることが本実験で確認できた。 今後は励起光の照射効果を考慮した放射線刺激による細胞内Ca2+濃度変化を観察し、細胞核やオルガネラなど、細胞局所でのCa2+濃度変化を合わせて検討する。, 令和元年度若手放射線生物学研究会専門研究会}, title = {細胞内Ca2+濃度変化のライブセル観察法の検討}, year = {2019} }