@misc{oai:repo.qst.go.jp:00076745, author = {平戸, 未彩紀 and 馬場, 祐治 and 和田, 真一 and 藤井, 健太郎 and 横谷, 明徳 and Hirato, Misaki and Fujii, Kentaro and Yokoya, Akinari}, month = {Sep}, note = {核酸塩基の一つであるウラシル(uracil)にBrが結合したbromouracil(BrU)が通常のDNAを構成するヌクレオチドの一つであるチミジン(dT)の代わりにゲノムDNAに取り込まれると、放射線照射に対して高い感受性を示すことが、様々な細胞を用いた研究により報告されている。このため、Br等のハロゲン原子を含むDNA関連化合物は、放射線増感効果を示す薬剤として放射線治療への応用が期待されている。Brが存在することによりDNAの放射線損傷の量や質が異なることが予想されるが、この増感効果における物理・化学的メカニズムは未解明な部分が多い。通常ではDNA損傷を作らない水和電子がBrの存在によりDNAと反応するようになり、また反応後の電荷がBrUに移動し損傷を形成するメカニズムが、モンテカルロ法による放射線トラック構造とDNA損傷のモデル研究により提唱されている[1]。このモデルから、Br原子の存在によるDNA関連分子の特異的な電子状態が予想される。そこで本研究では、X線光電子分光法(XPS)及びX線吸収端微細構造(XANES)解析法によりBrを含むDNA関連分子の内殻準位と非占有準位の電子状態を明らかにすることを目指した。実験は、高エネルギー加速器研究機構フォトンファクトリー(KEK・PF)のBL-27、及び広島大学放射光科学研究センター(HiSOR)のBL-13で行った。インジウム基板上にbromodeoxyuridine monophosphate(BrdUMP)と、thymidine monophosphate(TMP)の水溶液を滴下後乾燥させた薄膜試料を用いた。XPSにより特定の準位の電子の結合エネルギーを、またXANES解析により炭素、窒素、酸素およびリンのK殻吸収端付近の吸収スペクトルから非占有準位への励起に要するエネルギーを比較した。その結果、Brの有無でこれらのエネルギーには大きな違いは見られなかった。このことから、Brはそれが結合する相手の原子や分子の内殻レベルの準位に違いを与えないと結論された。化学結合に直接関与するのは価電子であるため、今後価電子状態についても検証が必要だと考えられる。 [1] Watanabe and Nikjoo Int. J. Radiat. Biol. 78, 953-66 (2002)., 令和元年度若手放射線生物研究会専門研究会}, title = {軟X線吸収分光法及び光電子分光法を用いたハロゲン化DNA関連分子の電子状態の研究}, year = {2019} }