@misc{oai:repo.qst.go.jp:00076733, author = {福田, 美保 and 青野, 辰雄 and 山崎, 慎之介 and 石丸, 隆 and 神田, 穣太 and 乙坂, 重嘉 and 平譯, 亨 and Fukuda, Miho and Aono, Tatsuo and Yamazaki, Shinnosuke}, month = {Sep}, note = {1. はじめに  2011年3月の福島第一原子力発電所 (福島第一原発:FDNPS) 事故に伴い海洋へ流入した放射性物質は、海水や水産物の糞粒などを通じて海底堆積物中に蓄積した。FDNPSから半径20 km圏内における堆積物中の137 Cs濃度は、事故直後の2011年4月に数1000 Bq/kg-dry [1]であったが、2015年1月には事故前 (2000年代;~ 2.0 Bq/kg-dry, [2]) の10倍程度の濃度まで減少したことが報告されている。福島県沖の中で特に水深0-100 mの海域は、潮汐の強弱に伴う海底面の撹拌や堆積物中の生物擾乱も活発に働くため、深さ方向でどこまで福島第一原発事故起源の134Csおよび137Csが記録されているかを知ることは、堆積物へのCsの移行量や将来予測を行う上でも重要な情報となる。そこで本研究では、福島県沖の堆積物中の放射性Cs濃度分布の要因とその挙動を明らかにすることを目的とした。 2. 実験方法  2013-2017年に海水とほぼ同測点でマルチプルコアラーを用いて柱状堆積物(深さ~20 cm)を採取した。採取した堆積物試料は船上で厚さ1 cmごとに分割し、研究室で乾燥後にゲルマニウム半導体検出器を用いて放射性セシウムなどの放射性核種濃度を測定した。計測で得られたCs濃度は試料採取日に補正を行った。 3. 結果・考察  2013-2017年に海水とほぼ同測点にて採取した堆積物中の134Cs濃度は、FDNPSと同緯度もしくはそれよりも北の海域では水深120 mの測点(M02やNP3)で、 FDNPSよりも南の海域では水深60, 120 mの測点(I01、I02、A、B)で他の測点よりも比較的高い傾向が見られており、深さ約20 cmまで134Cs濃度が検出されていた。上記6測点は比較的平らな面に位置しており、これらの堆積物はシルト-粘土粒子(粒径0.063 mm以下)の含有量が3.5-72%と他の測点よりも高かった。土壌や堆積物中の134Csや137Csはバーミキュライトやスメクタイトなどの粘土鉱物に強く吸着されていることや、粒径の小さい粒子に多くのCsが吸着していることが報告されている[3]。従って、上記6測点で堆積物中の134Cs濃度が高かった要因は、粒径の小さいシルト-粘土の含有量が比較的高く、これらの細かい粒子が堆積しやすい海底地形であったためであると考えられる[4]。 4. 参考文献 [1] 原子力規制委員会, https://radioactivity.nsr.go.jp/ja/list/512/list-1.html#chapter-11 (2019). [2] Kusakabe, M., S. Oikawa, H. Takata, J. Misono, Biogeoscience. 10, 4819-4850 (2013). [3] He, Q., Walling, D., E., Journal of Environmental Radioactivity, 20 (2), 117-137 (1996). [4] Fukuda, M., Aono, T., Yamazaki, S., Ishimaru, T., Kanda, J., Nishikawa, J., Otosaka, S., Geochemical Journal, 51, doi: 10.2343/geochemj.2.0504 (2018)., 放射性物質環境動態調査事業報告会}, title = {福島沖堆積物中の放射性セシウム濃度の変化}, year = {2019} }