@misc{oai:repo.qst.go.jp:00076732, author = {福田美保 and 青野, 辰雄 and 山崎, 慎之介 and 石丸, 隆 and 神田, 穣太 and 乙坂, 重嘉 and 平譯, 亨 and Fukuda, Miho and Aono, Tatsuo and Yamazaki, Shinnosuke}, month = {Sep}, note = {1. はじめに  2011年3月の福島第一原子力発電所(福島第一原発:FDNPS)事故に伴い、放射性物質が汚染水や大気、河川からの流入などを通じて海洋へと移行した。海水に含まれる放射性セシウム (134Cs および 137Cs)の99%以上は粒径が0.45 μm以下の溶存態として存在しており、粒径が0.45 μm以上の粒子態の寄与は非常に小さいことが報告されている。これは、海水中に含まれる134Cs や 137Csが潮汐や鉛直混合などの物理作用によって拡散することを示唆し、より多くの観測点で134Cs や 137Cs濃度の分布と要因を明らかにすることは長期予測を行う際の基礎データになると考えられる。本研究では福島県沖の海水中の137Cs濃度分布とその要因について明らかにすることを目的とした。尚、2013年以降、同海域での海水中の134Cs濃度が検出下限値を示すことが多くなったため、継続してデータを取得している137Cs濃度の結果について述べる。 2. 実験方法 2013-2017年に東京海洋大学「海鷹丸」および「神鷹丸」、北海大学「おしょろ丸」、海洋研究開発機構「新青丸」の調査航海にて福島県沖で表面-深層の3層で海水試料を採取した (図1)。採取した試料は、孔径0.20 μmのフィルターに通すことで、粒子態を除去したのちに、リンモリブデン酸アンモニウム(AMP) を用いて放射性セシウムを吸着[1]させ、乾燥後にゲルマニウム半導体検出器を用いて測定を行った。得られた放射性Cs濃度は試料採取日に補正を行った。 3. 結果・考察  海水中の溶存態137Cs濃度は時間経過と共に概ね減少傾向にあった。2013-2015年に海岸からの距離が0-10 kmに位置する測点(NPE2、NP0など)の表面海水中の溶存態137Cs濃度は、10-30 kmのもの(M02やNP3など)よりも4.2-10 倍高かった[2]。2016-2017年ではFDNPSに最も近い測点NP0の表面海水中の137Cs濃度が他の測点よりもわずかに高い濃度を示していたが、東西や南北方向への広がりは見られなかった。これは2017年には、比較的高い137Cs濃度の海水は限定した場所でのみ観測されていたことを示す。 4. 参考文献 [1] Aoyama, M. and Hirose, K. Radioact. in the Environ. 11, 137–162 (2008). [2] Fukuda, M., Aono, T., Yamzaki, S., Nishikawa, J., Ishimaru, T., Kanda, J.Journal of Radioanalytical Nuclear Chemistry, doi: 10.1007/s10967-016-5009-9 (2017)., 放射性物質環境動態調査事業報告会}, title = {福島沖海水中の放射性セシウム濃度の変化}, year = {2019} }