@misc{oai:repo.qst.go.jp:00076678, author = {伊原, 智一 and 野口, 実穂 and 横谷, 明徳 and Ihara, Tomokazu and Noguchi, Miho and Yokoya, Akinari}, month = {Sep}, note = {細胞周期が持続的に停止している細胞のことを老化細胞と呼ぶ。また、DNA損傷が生じ、これを修復しきれなかった場合、細胞が老化することがある。DNA損傷を持ったままの細胞が細胞周期を進行させるとがん化のおそれがあることから、このような細胞の老化はがん化を抑制するための機構であると考えられている。一方で、老化した細胞からは炎症性サイトカインなどの自身の周囲の細胞に対して炎症やがん化を促進させる物質が放出されることが報告されている。このことから、老化細胞内の環境は正常な細胞のそれとは大きく異なっていることが推測される。また、細胞の老化誘導時にはオートファジーが活性化されており、オートファジーを阻害することで老化の特徴の出現が遅れることも報告されている。そこで、本研究では放射線照射したヒト線維芽細胞におけるオートファジー活性の変動を調べ、オートファジーが老化誘導時及び老化細胞内でどのような役割を果たしているのかを明らかにすることを目的とする。 X線を20 Gy照射したヒト線維芽細胞におけるオートファジー活性と、これと細胞老化との関係を調べるために、照射細胞から抽出したタンパク質の発現動態をウエスタンブロットを用いて行った。観測対象のタンパク質は、細胞の老化に関係するp16とp21及びオートファジーに関連しているLC3とリン酸化p62とした。 p16とp21の発現量は、照射後の培養時間に伴って上昇した。LC3の発現量は照射後数日の間上昇していたが、リン酸化p62の発現量は照射直後から急激に低下した。リン酸化p62は選択的オートファジーに必要なタンパク質で、オートファジーの過程で分解されると考えられている。これらの結果は、まず細胞への照射直後では選択的オートファジーが働くことで照射によって壊れた細胞小器官などを掃除し、その後、非選択的なオートファジーが働くことで照射細胞の周囲にがん化を促進するような物質の放出に関与するという、2段階のフェーズがあることを示唆している。今後、ナノダイヤ量子センサーを導入することで、老化細胞における温度などの物理的パラメーターを測定し、老化細胞特有の細胞内状態に関する知見を得ることを検討している。, 令和元年若手放射線生物学研究会専門研究会}, title = {放射線による老化誘導とオートファジーの相関}, year = {2019} }