@misc{oai:repo.qst.go.jp:00076049, author = {瀧山, 博年 and Takiyama, Hirotoshi}, month = {Apr}, note = {1.研究の目的とバックグラウンド 直腸癌術後の骨盤内再発に対する重粒子線治療は、OAR(Organs at risk)への線量軽減や治療ビームの安定性のために主に腹臥位で行われる。しかしながら 治療適応判断のため撮影されるCT 検査は一般的に仰臥位で行われることから、実際の治療計画において臓器の偏位や腫瘍の位置関係の変化が問題となることが多い。そのため、病院治療課消化管腫瘍科では、当院で行う治療前評価用CT 検査を仰臥位だけではなく腹臥位でも撮影している。本研究ではこの臨床目的の検査について、膀胱内尿量・腸管内容(胃液・腸液・宿便等)の状況が同一であるという条件を利用し、仰臥位と比較した際の腹臥位における腹部臓器の偏位について明らかにする。 2.今年度の研究内容 当院で2018 年6 月から2019 年1 月までに重粒子線治療を受けた直腸癌術後再発の症例のうち、骨盤を対象に腹臥位での撮影を行なった計10 例について、MIM Software 社製『MIM 画像診断支援ソフトウェア』Ver 6.0 を用いて仰臥位像・腹臥位像をFusionし、各骨盤内臓器の偏位量を測定した。 3.今年度の研究成果と解析結果 ・基準点の設定 基準点として上前腸骨棘、岬角、恥骨結節、第2仙骨下縁、尾骨末端をそれぞれreference point として試行を重ねた結果、仙骨岬角と恥骨結節の2 点をFusion の基準点として用いることが最も正確性・再現性が得られると考えられた。 ・偏位量の定義 仰臥位を基準として腹臥位において背側に偏位する方向を正(+)、腹側に偏位する方向を負(-)と定義した。 ・各臓器の偏移量 まず初めに下腹部の正中線において、腹直筋の偏位量の最大値を測定したところ、中央値+5.6mm (範囲-13.1 ~ +16.6)であった。赤点は女性、青点は男性を 示すが、明らかな性差はなく、身長体重から算出したBMI との関連も見られなかった(R2 = 0.02)。 各臓器の測定は、骨、筋、血管、臓器、腸管に大別し、各々下図の細項目を設けて行った。ただし血管のいうち静脈は明らかに体位変換に伴い脈管径が変 化したため評価不適と判断した。 仙尾骨の偏位量は腹直筋の偏位量とは相関が見られなかったが、明らかな性差が見られ、女性は男性に対してより仙尾骨の正方向の偏位量が大きく、腹臥位で小骨盤腔が拡がりやすい傾向があった。骨盤底を形成する筋群(内閉鎖筋、梨状筋、肛門挙筋)に関しては腹直筋の偏位量との関連は見られなかった。これらの筋群は下肢の肢位の影響を強く受けていると思われた。血管系のうち、外腸骨動脈遠位、内腸骨動脈中位、閉鎖動脈分岐部については腹直筋の偏位量と相関が見られたが、その他の血管系には相関は見られなかった。臓器については、遠位尿管と子宮体部の偏位量との相関が同様に見られた。子宮とBMI, 尾骨との相関についても評価を行なったが、最もよく相関したのは腹直筋であった。 膀胱や腸管の偏位量についてはいずれも形態変化が大きく単純な直線距離での評価が可能であるかは疑わしく、適切な評価解析方法について次年度への継続的課題として引き続き検討することとした。, 平成30年度HIMAC共同利用研究成果発表会}, title = {仰臥位と腹臥位における腹部臓器の偏位に関する検討 (18L114)}, year = {2019} }