@misc{oai:repo.qst.go.jp:00075931, author = {粕谷, 吾朗 and 牧島, 弘和 and 尾松, 徳彦 and 辻, 比呂志 and Kasuya, Goro and Makishima, Hirokazu and Omatsu, Tokuhiko and Tsuji, Hiroshi}, month = {Apr}, note = {1. 研究の目的とバックグラウンド 腎細胞癌への炭素イオン線治療は2017 年までに27 例が施行され、良好な成績が示されてきた(1-3)。しかし治療後の腫瘍および正常臓器への影響は不明である。本研究の目的は、炭素イオン線治療後の腫瘍および正常臓器へ線量や体積の関係を定量的に評価し、それらの臨床的意義を見いだすことである。 2.昨年までに得られている結果 本研究は今年度開始された研究である。 3.今年度の研究内容 1) 腎腫瘍の経時的変化 1 年以内の他因死による早期死亡例2 例を除く、25 例を解析対象とした。 局所再発との関連を調査するため、治療後の年間の腫瘍体積変化(pre-1y、1y-2y、2y-3y)、ならびに線量処方、T stage との関係を調査した。 2) 正常腎への影響とその経時的変化 1)と同じ25 例を解析対象とした。治療後chronic kidney disease[CKD] grade 悪化をevent として、照射された腎の正常腎臓体積(照射腎臓体積-planning target volume [PTV])の線量と体積の関係を調査した。 3) 健側腎の経時的変化 1 年以内の他因死による早期死亡例2 例と片腎2 症例を除く、23 例を解析対象とした。健側腎の10%以上の体積増加を示した症例について、腫瘍の位置(腎門部、非腎門部)、照射された側の正常腎臓体積(照射腎体積-PTV)、およびT stage との関係を調査した。 4) 周囲腸管耐容線量 1)と同じ25 例を解析対象とした。明らかな腸管障害は認められなかったが、3名に見られた治療中の食欲低下と結腸、小腸、胃、十二指腸への線量との関係を調査した。 4. 今年度の研究成果と解析結果 1) 腎腫瘍の経時的変化 局所再発に対して、治療後1 年間の腫瘍体積増加、処方線量ならびにT stage に有意な関連はなかった。一方、照射後1~2 年、2~3 年の間の腫瘍体積の増大が、局所再発に有意に関連した(それぞれp=0.033、p=0.039)。照射後1 年間の腫瘍体積変化よりも、照射後1~2 年、2~3 年の腫瘍体積増加が局所再発に影響する可能性が示唆された。 2) 正常腎への影響とその経時的変化 治療後のCKD grade 悪化に対し、V0 に有意ではないが、強い相関が認められた。Receiver Operating Characteristic 解析により正常腎体積 = 144ml で治療後CKD grade 悪化に対する感度・特異度が最も高かった。治療後のCKD grade 悪化に対し、正常腎体積 >144ml vs <144ml、T stage、および治療前からの腎障害の有無について多変量解析を施行したところ、正常腎体積 <144ml だけがCKD grade 悪化に対する有意な因子となった (p=0.034)。正常腎体積 <144ml と CKD grade 悪化の関係が示唆された。 3) 健側腎の経時的変化 治療後の健側腎の体積変化は、治療後2 年で中央値 +3%(範囲 -5%~+23%)であった。10%以上の健側腎の体積増加を示した症例は6 症例だった。単変量解析にて、健側腎の10%以上の体積増加に対して、腎門部腫瘍にのみ有意な関係が認められた(p=0.008)。腎門部腫瘍の存在と、健側腎の体積10%以上の増大との関係が示唆された。 4) 周囲腸管耐容線量 本研究では治療中の食欲低下と腸管線量(結腸、小腸、胃、十二指腸)との有意な関係は示されなかった。, 平成30年度HIMAC共同利用研究成果発表会}, title = {HIMAC 共同利用研究報告書}, year = {2019} }