@misc{oai:repo.qst.go.jp:00075930, author = {小此木, 範之 and Okonogi, Noriyuki}, month = {Apr}, note = {1.研究の目的とバックグラウンド 照射線量と晩期有害事象の関連について、X 線治療においてはEmami ら(Int J Radiat Oncol Biol Phys.1991)、あるいはMarks ら(Int J Radiat Oncol Biol Phys. 2010)によって、網羅的に報告されているが、重粒子線治療での解析はほとんどなく、また、それらの解析は旧式の治療計画装置(HiPLAN)によるデータ解析であり、線量評価の不正確さが懸念される。本研究では、最新の治療計画装置(Xio-N)により、これまでに当院で治療した婦人科腫瘍患者の線量体積分布(dose volume histogram: DVH)を再度算出し、重粒子線治療症例での有害事象の発生率と照射線量の関係を明らかにし、骨盤部領域の重粒子線治療における線量制約を確立する事を目的とする。 2.昨年度までに得られている結果 当院で、重粒子線単独治療を受けた134 例の子宮頸癌および子宮体癌の患者において、直腸線量については直腸D2cc が、膀胱線量については膀胱D5ccが、晩期有害事象の予測因子になることが明らかになった (1)。また、照射後の骨障害については、定期的に画像評価が行われていた102 例を解析した結果、仙骨に最も高頻度(19 例)に骨障害が認められ、仙骨のV10 およびV20 が、骨障害の予測因子になることが明らかとなった。 3.今年度の研究内容 当院で、2010 年6 月から2016 年2 月までに化学療法併用重粒子線治療を受けた、計58 例の子宮頸癌の患者について、Xio-N でDVH を再度作成し、直腸、膀胱との関連を解析した。尚、有害事象の確認には当院診療データベース(AMIDAS)で情報を抽出した後、全例で診療録により整合性を確認した。 4.今年度の研究成果と解析結果 計58 例中の治療後観察期間の中央値は43 か月(幅:6-95 か月)であった。直腸・S 状結腸および膀胱のGrade 2 以上の3 年時有害事象発生率は、それぞれ29%および13%であった。直腸に関して、Grade 2 以上の直腸有害事象発生群 と、Grade 1 以下の直腸有害事象発生群において、V55 は20.4(±13.5)対8.8(±8.8) cc(p=0.003)と、統計学的有意差を示した。D5cc やD2cc、V10-V50 で の比較では統計学的有意差は認められなかった。膀胱に関しても同様に解析を行ったが、V10-V55、D5cc やD2cc 等、いずれの項目においても統計学的有意差は認められなかった。重粒子線単独治療の解析においては、直腸においてはD2cc、膀胱においてはD5cc、骨についてはV10-20 のように、それぞれの臓器特有の線量体積効果が見られる事が示された。今回の解析では、特に直腸に関して、化学療法併用重粒子線治療においてはV55 が晩期有害事象の予測因子になることが示された。これらの指標は光子線治療で報告されている指標とは異なり、より安全な重粒子線治療の普及に向けて更にデータを蓄積して行く重要性が示唆された。, 平成30年度HIMAC共同利用研究成果発表会}, title = {婦人科腫瘍に対する重粒子線治療における晩期有害事象と線量体積分布に関する研究}, year = {2019} }