@misc{oai:repo.qst.go.jp:00075627, author = {福原, 潔 and 今井, 耕平 and 中西, 郁夫 and 松本, 謙一郎 and 大野, 彰子 and Imai, Kohei and Nakanishi, Ikuo and Matsumoto, Kenichiro and Ohno, Akiko}, month = {Mar}, note = {【目的】がんやアルツハイマー病などの疾病の発症には金属イオンを伴う酸化ストレスの関与が明らかとなっている。カテキンなどのフェノール性抗酸化物質はラジカル消去作用によって酸化ストレスを抑制する。しかし、金属イオンが存在すると、金属イオンを触媒とした酸素の還元活性化反応が進行して、プロオキシダント効果による毒性を引き起こす。我々が開発した天然カテキンの立体構造を平面に固定化した平面型カテキンは、協力な抗酸化作用を示すとともに、金属イオンによるプロオキシダント効果を示さない。本研究では、金属イオンが存在すると抗酸化活性がONになる化合物の開発を試み、プロオキシダント効果を示さない平面型カテキンに金属配位子としてDTPAを導入した化合物1を設計・合成した。 【方法・結果】1は天然カテキンの立体をPictet-Spengler反応によって固定化した後、DTPAを付加させて合成した。活性酸素のモデル化合物であるジフェニルピクリルヒドラジル(DPPH)に対するラジカル消去活性を測定すると、1は平面型カテキンの約10分の1の活性を示すのに対して、1にFe(3+)イオンをキレートさせた1-Fe(3+)は平面型カテキンと比べて約3.7倍の非常に強力なラジカル消去活性を示した。また、Fenton反応(FeCl(2)/H(2)O(2))によるpBR322DNAの切断に対する影響を検討すると、1はDNA切断にほとんど影響を与えないのに対して、1-Fe(3+)はDNA切断をほぼ完全に抑制した。Xanthine oxidase/hypoxanthineによって発生する活性酸素に対しても、1-Fe(3+)は強力に抑制することをESRスピントラップ法で確認することができた。以上、平面型カテキンにDTPAを結合させた1は、Fe(3+)が配位すると強力な抗酸化作用を示すことが明らかとなった。 【考察】1は、疾患の酸化ストレス発症部位において、金属を配位して取り除くことで活性酸素の生成を抑制する。さらに金属を配位した1は、平面型カテキンの還元作用によるラジカル消去に対して還元反応の活性化エネルギーを低下させることで強力な抗酸化作用を示すことが期待される。, 日本農芸化学会2019年度大会}, title = {金属イオン配位により活性化する抗酸化物質の開発}, year = {2019} }