@misc{oai:repo.qst.go.jp:00074896, author = {島田, 斉 and Shimada, Hitoshi}, month = {Oct}, note = {【背景・目的】Alzheimer病(AD)においては病早期より後部帯状回の糖代謝低下を認めることが知られている。同所見は後部帯状回と線維連絡を持ち、病早期より病理学的変化を認める側頭葉内側の障害が背景にあると推察されているが、その病態基盤に関してはいまだ不明な点が多い。本研究の目的は、陽電子放射断層撮像(PET)を用いてAD患者における脳内アミロイド・タウ蓄積と脳糖代謝の関連を明らかにすることである。 【方法】対象は臨床的に診断された発症前を含むAD患者27例。11C-PiB、11C-PBB3および18F-FDG PETを撮像し、小脳皮質を参照領域としたstandardized uptake value ratio(SUVR)画像を作成して、おのおのアミロイド蓄積、タウ蓄積、脳糖代謝の指標とした。前頭葉底部および上部、頭頂葉、側頭葉内側および外側、後頭葉、扁桃体、視床、前部および後部帯状回に関心領域を設定し、側頭葉内側におけるPiB SUVRおよびPBB3 SUVRと各関心領域におけるFDG SUVRの相関を検討した。 【結果】AD患者は全例で、PiB PETの視覚読影上アミロイド蓄積を示唆する明らかな皮質集積を認めた。側頭葉内側のPBB3 SUVRは、側頭葉内側、扁桃体、視床、前部および後部帯状回におけるFDG SUVRと有意な負の相関を認めた。これらの脳領域のうち後部帯状回以外の脳領域においては、同部位のPBB3 SUVRとFDG SUVRの間にも有意な相関を認めた。一方、側頭葉内側のPiB SUVRはいずれの関心領域においてもFDG SUVRと有意な相関を認めず、各関心領域におけるPiB SUVRとFDG SUVRの間にも有意な相関を認めなかった。 【考察】嗅内皮質や海馬周囲を含む側頭葉内側は病理学的には早期よりタウ蓄積を認め、前部および後部帯状回、視床、扁桃体などと線維連絡を有している。本研究の結果は、AD患者で見られる後部帯状回の脳糖代謝低下は、同部位と密な線維連絡を持つ側頭葉内側の障害が病態基盤となっていることを示唆するものと推察される。, 第61回日本脳循環代謝学会学術集会}, title = {Alzheimer病における側頭葉内側タウ蓄積は後部帯状回を含む投射先脳領域の糖代謝低下と関連する}, year = {2018} }