@misc{oai:repo.qst.go.jp:00074771, author = {南本, 敬史 and Minamimoto, Takafumi}, month = {Mar}, note = {化学遺伝学的手法の一つ,DREADDs(Designer Receptors Exclusively Activated by Designer Drugs)は,標的とする神経細胞群に人工受容体を発現させることで,選択的リガンドの末梢投与という比較的簡便な手技でその活動を一定時間制御できる手法であり,大きな脳を有する霊長類への幅広い適用が期待されている.我々は霊長研共同利用のサポートのもと,変異型ムスカリン受容体(hM4Di/抑制型)とその選択的リガンドclozapine-N-oxide(CNO)の組み合わせによるDREADDシステムがマカクザルでも機能することを示すとともに,PETを利用したDREADDの脳内発現イメージングの有効性を示した(Nagaiら2016).しかし、CNOは脳移行性が極めて低い化合物であり,その代謝産物であるclozapineがDREADD以外の内在性受容体に作用することで生じる副作用が懸念されている. 私たちはCNOに替わるDREADDアゴニストとして,clozapine類似化合物の中から脳移行性が高くかつDREADDに親和性の高い化合物Deschloroclozapine(DCZ)を見出した(注1).DCZはclozapineと異なり低濃度ではDREADD以外の受容体に結合・作用せず,また体内で代謝をほとんど受けない.またDCZを放射性ラベルした[11C]DCZはDREADDの脳内発現を可視化するPETリガンドとしても非常に有用であり,hM4Di/hM3Dq(興奮型)を発現する神経細胞群の位置・範囲の特定ができるとともに、その軸索終末に発現したDREADDsも鋭敏に捉えるため,DREADDにより操作可能な神経路が描出できた.さらに[11C]DCZ-PETを利用することで,脳内に発現させたhM4Diを占有するのに十分なDCZの投与量(0.03-0.1 mg/kg)がCNOの約1/100であることを定量した. これらの技術開発・検証により,①サル脳内の局所にウイルスベクターを注入して標的の神経細胞群にhM3Dq/hM4Diを発現させ,②[11C]DCZ-PETでその発現ならびに投射先を確認,③DCZを末梢から投与して標的神経細胞の活動を興奮/抑制させる,というより確実な手順で神経活動操作が可能となり,実際にDREADDを介した神経細胞活動・行動への影響を複数の実験系で確認している.本研究会では新規リガンドDCZおよびPETリガンド[11C]DCZ-PETの特徴・有効性について解説するとともに,これらの技術を利用した複数のプロジェクトの結果を紹介し,サル脳回路のDREADD操作がいよいよ実用段階に入ったことを伝えたい., 平成30年度 京都大学霊長類研究所 共同利用研究会}, title = {新規DREADDリガンドDeschloroclozapine (DCZ) による霊長類脳回路のイメージングと活動操作}, year = {2019} }