@misc{oai:repo.qst.go.jp:00074691,
 author = {平戸, 未彩紀 and 横谷, 明徳 and 馬場, 祐治(原子力研究開発機構) and 藤井, 健太郎 and Hirato, Misaki and Yokoya, Akinari and Fujii, Kentaro},
 month = {Mar},
 note = {臭素原子（Br）を取り込ませたDNAを持つ細胞は、放射線照射に対して高い感受性を示すことが、様々な細胞を用いた研究により報告されている。Brを持たない正常なDNAと比較すると、Brが存在することによりDNAの放射線損傷の量や質が異なることが予想されるが、物理・化学的メカニズムは未解明である。Bruracil（BrU）の酸化還元電位が他の塩基と比較して小さいため、通常ではDNA損傷を作らない水和電子とDNAが反応した後に、電荷がBrUに移動し損傷を形成するメカニズムが、モンテカルロシミュレーション研究により提唱されている1)。そこで私たちはBr原子が存在することで、DNA関連分子の電子状態に変化が生じると考えた。本研究の目的は、X線光電子分光法（XPS）・Ｘ線吸収端微細構造（XANES）解析によりBr関連分子の内殻準位の電子状態の変化を明らかにすることである。試料として、BrU及びBromodeoxyuridine monophosphate（BrdUMP）と、Brを含まないThymidine monophosphate（TMP）を用いた。XPSによりそれぞれの試料の光電子の結合エネルギーを、XANAS解析によりC、N、Oの吸収端エネルギーを比較したが、結果からBrの有無では違いがなかった。このことから、Brは内殻レベルの準位に違いを与えないと結論された。一方、価電子状態に変化が生じることが予想されるため、今後は価電子状態について検証を行っていく。
1) Watanabe R, Nikjoo H. Int. J. Radiat. Biol. 78, 953-66 (2002)., 2018年度量子ビームサイエンスフェスタ},
 title = {Br を含むDNA 関連分子の内殻電子状態の研究},
 year = {2019}
}