@inproceedings{oai:repo.qst.go.jp:00073426, author = {鈴木, 雅雄 and 宇佐美, 徳子 and 舟山, 知夫 and 横田, 裕一郎 and 鈴木, 芳代 and 小林, 泰彦 and 鈴木 雅雄 and 舟山 知夫 and 横田 裕一郎 and 鈴木 芳代 and 小林 泰彦}, book = {放射線}, issue = {4}, month = {Feb}, note = {低フルエンス放射線で誘導される生物効果のうち、一つの細胞集団内で直接放射線を照射された細胞の生物効果が周囲の直接照射されていない細胞にも現れるバイスタンダー効果は、高い線エネルギー付与(Linear Energy Transfer : LET)のイオンビームを用いた研究では明らかになってきたが、東日本大震災に伴う東京電力福島第一原子力発電所の事故に起因する放射性物質による環境汚染で問題となる低LET電磁波放射線によるバイスタンダー効果を含めた放射線応答の実体は不明な点が多い。本研究は単色化・マイクロビーム化しても生物影響研究に供することが出来る強度の強い放射光を光源として、放射光X線を10µm x 10µmのビームサイズにマイクロ化し、ヒト培養細胞の細胞核または細胞質のみにX線を照射することによって誘導される細胞応答の現象とメカニズムを解明する事を目的として研究を進めている。 ヒト正常細胞の細胞致死を指標にして、国内で稼働中のマイクロビーム放射線を駆使してこれまでに得られた実験結果は以下のようにまとめられる。 【実験結果1】放射光X線、重イオン(炭素イオン、ネオンイオン、アルゴンイオン)マイクロビームを用いた研究から、照射対象の全ての細胞に対してその一部の細胞のみに限定的にマイクロビーム照射(細胞核または細胞質への照射は区別していない)を行った結果、致死効果のバイスタンダー効果は、比較的LETの低いX線では誘導されなかった。また、逆にLETの高いネオンやアルゴンイオンでも誘導されなかった。 【実験結果2】用いたイオンのLET値で計算したエネルギー付与のトラック構造のシミュレーションの結果から、トラック中心からLET値に依存して二次的な放射線の発生が増加し、細胞にはイオンのトラックとそれに付随した二次放射線が細胞核と細胞質に照射されていることが判った。 【実験結果3】10µm x 10µmに絞った放射光X線マイクロビームを細胞核のみに限定的に照射した場合は、【実験結果1】で観察されなかったバイスタンダー効果が観察された。 【実験結果4】1500µm x 700µmの放射光X線ブロードビームを作成し、細胞核と細胞質を同時に照射した場合は、細胞核限定的照射の生存率に比べて有意に高くなることが判った。  以上の実験結果より、『細胞質に電磁波放射線のエネルギー付与が起こった場合、細胞核に生じた放射線損傷を軽減する何らかのメカニズムが働き、バイスタンダー効果を抑制することにより細胞致死を軽減する(放射線適応応答)。』という作業仮説を立て進めている研究内容を紹介する。}, pages = {147--149}, title = {放射光 マイクロビームを使った生物照射効果研究}, volume = {44}, year = {2019} }