@misc{oai:repo.qst.go.jp:00073351, author = {三村, 喬生 and 南本, 敬史 and 須原, 哲也 and 井上, 謙一 and 西条, 寿夫 and 高田, 昌彦 and Mimura, Koki and Minamimoto, Takafumi and Suhara, Tetsuya}, month = {Dec}, note = {コモンマーモセット(Callithrix jacchus)は、高い認知能力や家族性から、霊長類の社会性の神経基盤を調べる良いモデル動物として注目されている。社会性について関連が示唆される多くの神経領野について行動への影響を網羅的に調べるには、脳活動制御と行動解析の双方において汎用性と解像度の向上が求められる。 化学遺伝学のひとつDREADDs(Designer receptors Exclusively Activated by Designer Drugs)は、人工的な外来性リガンドにより特異的に活性化される人工受容体である。これを特定の神経領域に導入すると、リガンドの全身投与により、一過的に神経活動を興奮または抑制させる事ができる。その特性から、刺激プローブの留置などを必要とせず、繰り返し数時間だけ特定の神経系を遠隔に操作し、行動への影響を調べることが可能となる。 また、社会性行動の評価として、個体間相互作用の時間発展をデータ駆動的に解析できる手法の開発が急務である。私たちは汎用性を高めるため、マーモセットの身体運動を高解像度で捉えるモーションキャプチャシステムを開発してきた。深度カメラの情報に基づき、物理演算と機械学習を組み込む事で、ボディマーカを用いずに身体部位(頭・胴・腰)および顔の向きを3次元的に抽出することに成功した。 発表では、このマーモセット実験系を利用し、ドーパミン神経の操作と行動への影響を調べた研究について紹介する。片側中脳黒質にウイルスベクターを局所注入することで興奮性DREADD(hM3Dq)を導入した。DREADDに特異的に結合する新規トレーサ[11C]C22bを用いたPETにより、注入領域の黒質緻密部及び、投射先である線条体でのhM3Dqの発現を非侵襲的に可視化できた。さらに、DREADDアゴニストC22bの全身投与によりhM3Dqを活性化させることで、同側の線条体においてドーパミン放出量が上昇することが、ドーパミンD2受容体選択的PETリガンド[11C]Racloprideを用いたドーパミン機能PETにより確認できた。一過的なドーパミン賦活による影響は、覚醒下において、顕著な片側回転運動として確認された。開発したモーションキャプチャシステムを用い、この行動を測定・解析することで、空間的な体軸回転方向・顔方向の偏りがアゴニストの注入時点から徐々に顕在化していく時系列を定量的に評価することに成功した。 これらの結果から、DREADDとPETの融合技術と空間運動解析手法は、マーモセットの特定神経回路の遠隔操作と、その行動への影響評価に非常に有効であることが確認された。今後、2匹の同時トラッキングへ拡張する予定であり、社会脳領域が個体間相互作用に与える影響をデータ・ドリブンに浮かび上がらせるものと期待している。, 行動を制御する神経ネットワーク機能の解明に向けて}, title = {小型霊長類における動作のマーカレス測定と化学遺伝学の実装}, year = {2018} }