@misc{oai:repo.qst.go.jp:00073275, author = {石原, 弘 and 石原 弘}, month = {Oct}, note = {低線量被ばくによる生体への悪影響は証明されていないとはいえ、100mGy前後の低線量のみならず、10mGy程度の極低線量の放射線を照射した細胞では、複数の生体分子指標の変動することが報告されており、「何か」が発生しているのは事実である。この変動の実態が厳密かつ定量的に示されれば、放射線影響研究の視点からは、その細胞の周囲の組織や個体などへの影響を量的に推定する根拠となる。そして環境化学物質などとの量的な対比も可能になり、さらにそれらの複合影響を解析するための基準ともなる。また、全身または臓器ごとのバイオドジメトリー指標として活用することも期待できる。 我々は極微量RNAの精密定量技術の高度化を進め、低線量放射線被ばくによる定量指標として、DNA損傷で誘導される(DDI) RNA群(1)を選択した。また、ヒトバイオドジメトリー技術開発に活用することを考慮して、マウス循環血液を試料とした。白血球細胞集団は放射線感受性が高く、全身を循環するのみならず臓器毛細血管周囲にも滞留していることから低線量被ばく時のバイオドジメトリー指標としての汎用性を期待した。マウス個体に低線量または極低線量の放射線を照射した後に採取した微量循環血のRNA定量分析の結果、照射によりDDI RNAを発現する細胞は、循環白血球中に0.1%程度含まれる未分化細胞に比例することが示された。循環白血球中の未分化細胞の濃度はマウス個体の活動に応じて大きく変化するので、個体差や環境影響を相殺するために、未分化リンパ球の増殖時に発現するmyc RNAあたりのDDI RNA比を求めた。その結果、DDI/myc RNA比はマウス生産ロットや個体の活動状況に関わらず、照射線量に比例して増加する定量指標となることが示された。DDI/myc RNA比はγ線連続照射したマウスや、32Pリン酸を投与したマウスなど、低線量率-連続照射モデルでも、推定吸収線量に依存して増加した(2, 3)。分析対象のRNA部位を変えることで、極低線量照射後に増加するRNA分子の実態を明らかになった。以上の結果から、DDI/myc RNA比は低線量被ばくのバイオドジメトリー指標として利用可能であること、そして極低線量〜低線量にかけての遺伝子発現制御機構の解析にも有用な知見となることが示された。, 学位論文研究支援合同報告会}, title = {極低線量の放射線に応答して発現するRNA ~その精密定量によるバイオドジメトリー指標化~}, year = {2016} }