@misc{oai:repo.qst.go.jp:00073080, author = {福原, 潔 and 今井, 耕平 and 中西, 郁夫 and 松本, 謙一郎 and 大野, 彰子 and 今井 耕平 and 中西 郁夫 and 松本 謙一郎 and 大野 彰子}, month = {Nov}, note = {がんやアルツハイマー病などの疾病の発症には金属イオンを伴う酸化ストレスの関与が明らかとなっている。カテキンなどのフェノール性抗酸化物質はラジカル消去作用によって酸化ストレスを抑制する。しかし、金属イオンが存在すると、フェノール性抗酸化物質は金属イオンを触媒とした酸素の還元活性化反応が進行してプロオキシダント効果による毒性を引き起こす。我々は天然カテキンの立体構造を平面に固定化した平面型カテキンを開発した。本化合物は天然カテキンと比べて強力な抗酸化活性を示すとともに、金属イオンによるプロオキシダント効果を示さない。我々は多くの疾病の原因となる酸化ストレスに金属イオンが関与していることに着目し、プロオキシダント効果を示さない平面型カテキンに金属配位子としてDTPAを導入した化合物1を設計した。1は、疾病の酸化ストレス発症部位において、金属を配位して取り除くことで活性酸素の生成を抑制する。さらに金属が配位した1は、平面型カテキンの還元反応によるラジカル消去に対して、還元反応の活性化エネルギーを低下させることで強力な抗酸化作用を示すことが期待される。 1は天然カテキンの立体をPictet-Spengler反応によって固定化した後、DTPAを付加させて合成した。活性酸素のモデル化合物である2,2-ジフェニル-1-ピクリルヒドラジル(DPPH)に対するラジカル消去活性を測定すると、1は平面型カテキンの約10分の1の活性を示すのに対し、1にFe3+イオンをキレートさせた1-Fe3+は平面型カテキンと比べて約3.7倍の非常に強力なラジカル消去活性を示した。また、Fenton反応(FeCl2/H2O2)によるpBR322DNAの切断に対する影響を検討すると、1はDNA切断にほとんど影響を与えないのに対し、1-Fe3+はDNA切断をほぼ完全に抑制した。以上、平面型カテキンにDTPAを結合させた1は、Fe3+が配位すると強力な抗酸化作用を示すことが明らかとなった。本化合物は金属が関与する疾病の予防・治療に有効であることが期待される。, 第36回メディシナルケミストリーシンポジウム}, title = {金属錯体形成をトリガーとした新規抗酸化物質の開発}, year = {2018} }