@misc{oai:repo.qst.go.jp:00072943, author = {中西, 郁夫 and 大久保, 敬 and 小澤, 俊彦 and 松本, 謙一郎 and 中西 郁夫 and 大久保 敬 and 小澤 俊彦 and 松本 謙一郎}, month = {Sep}, note = {【目的】我々は最近、水に不溶な2,2-ジフェニル-1-ピクリルヒドラジルラジカル(DPPH•)をβ-シクロデキストリン(β-CD)を用いて水溶化することに成功し、1) 水溶液中でもDPPH•を用いた抗酸化物質の活性評価が可能となった。そこで本研究では、水溶液中におけるアスコルビン酸(AscH2)のラジカル消去機構を解明する目的で、緩衝液中、AscH2と水溶化DPPH•との反応における速度論的同位体効果について検討した。 【方法】DPPH•とβ-CDの固体混合物に沸騰水(Milli-Q)を加え、室温に下がるまで攪拌した後、その懸濁溶液を孔径0.22 µmのメンブレンフィルターでろ過することによりDPPH•水溶液を得た。反応の追跡には、ユニソクRSP-1000-02NM型ストップトフロー分光測定装置を用いた。 【結果および考察】TRIS緩衝液(0.1 M, pH 8.5)中、25℃で、水溶化DPPH•にAscH2を加えると、DPPH•に由来する527 nmの吸収が減少した。AscH2のpKaは4.1であることから、観測されたスペクトル変化は、脱プロトン化したアスコルビン酸塩(AscH–)がDPPH•を効率良く消去したことを示している。527 nmの吸光度の経時変化を速度論的に解析し、AscH–によるDPPH•消去の二次反応速度定数(kH)を1.3 × 105 M–1 s–1と決定した。次に、水の代わりに重水を用いてTRIS緩衝液(0.1 M, pD 8.5)を調製し、これを溶媒として用いて同様の検討を行った。その結果、得られた二次反応速度定数(kD = 2.6 × 104 M–1 s–1)はkH値よりも顕著に小さくなった。速度論的同位体効果(kH/kD)の値は5.1となり、反応の律速段階で水素原子移動が関与していることが示唆された。他のpHでも同様の検討を行ったので、併せて報告する。 1. Nakanishi I., et al., Chem. Commun. 51, 8311 (2015)., 第62回日本薬学会関東支部大会}, title = {アスコルビン酸による水溶化有機ラジカル消去反応における速度論的同位体効果}, year = {2018} }