@misc{oai:repo.qst.go.jp:00072595, author = {小坂, 恵 and 山田, 秀徳 and 二見, 淳一郎 and 多田, 宏子 and 今村, 維克 and 玉田, 太郎 and 玉田 太郎}, month = {Dec}, note = {タンパク質の構造研究を成功させるためには、タンパク質分子そのものの物性や対称性を制御する取り組みが必要である。筆者らは、結晶化しにくい難結晶性タンパク質は、結晶化の際に規則正しく並ぶためのパッキング相互作用が不足していると考える。一方、多くの天然タンパク質が分子表面の疎水性残基同士でパッキングしている。そこで、難結晶性タンパク質ヒトRNase 1のN末端側から数えて2または3番目のα-へリックスの溶媒側に、2個から4個のロイシンからなるロイシンジッパー様の疎水性タグを変異導入した。その結果、意図した通り、パッキング相互作用を補い、導入したタグ同士でパッキングした質の高い結晶が得られ、構造解析にも成功した。 次に、本来持つパッキング相互作用が強いと思われるウシRNase Aに、この方法を適用した。すなわち、2番目のα-へリックスの溶媒側に3個のロイシンからなるロイシンジッパー様の疎水性タグを導入し、結晶化を試みたところ、野生型RNase Aとは形状が異なる結晶が成長した。解析の結果、野生型RNase Aの空間群とは異なる空間群を持ち、また導入したタグ同士でパッキングしていることが明らかになった。新たに導入した疎水性タグは、パッキングサイトとしてRNase Aが本来持つパッキングサイトよりも強力であることが示唆された。さらに、ロイシン以外の他の疎水性残基導入によっても結晶化は誘発されるのかという点を検証した。ロイシンと同様に 3個のフェニルアラニン、または 3個のバリン、または 3個のアラニンを導入したヒトRNase1を調整し、結晶化実験を行った。その結果、すべて結晶化に成功し、疎水性タグ導入が結晶化に有効であることが明らかになった。得られた結晶は、X線回折データを大型放射光施設SPring-8 で収集し、構造解析を続けている。 以上のことから、疎水性残基をタンパク質分子表面に導入することが、結晶化しにくい難結晶性タンパク質のパッキングを制御する結晶化法となることが強く示唆される。, 2017年度生命科学系学会合同年次大会}, title = {疎水性残基導入が難結晶性タンパク質の結晶化に与える影響}, year = {2017} }