@misc{oai:repo.qst.go.jp:00072260, author = {横田, 裕一郎 and 和田, 優 and 舟山, 知夫 and 横田 裕一郎 and 舟山 知夫}, month = {Jan}, note = {ヒトを含む高等生物の脳や脊髄に存在する神経幹細胞は、自己複製した後、神経細胞、アストロサイトやオリゴデンドロサイトといった神経系の細胞に分化することで、神経組織の新生に寄与している。脳や頭頸部に生じた腫瘍の放射線治療では、腫瘍だけでなく周辺の神経組織や神経幹細胞が損傷を受けることで、治療後に患者の精神遅滞や学習能力低下等が発生するリスクがある。悪性脳腫瘍の一種である神経膠芽腫はX線に抵抗性を示すため、粒子線を用いた治療が試みられている。治療に際しては神経幹細胞を粒子線から適切に防護する必要があるが、神経幹細胞の粒子線応答機構についての報告は非常に少ない。 そこで本研究では、ヒト胚性幹細胞H9株由来の神経幹細胞とヒト神経膠芽腫由来のA172細胞に0.5~8 Gyの60Coガンマ線(LET: 0.2 keV/um)または18.3 MeV/n炭素線(LET: 108 keV/um)を照射した。照射直前および照射24~72時間後に細胞数、BrdU(DNA合成期の細胞に取り込まれるチミジン塩基の類似物質)陽性細胞数、アネキシンV(アポトーシス初期の細胞と特異的に結合する物質)陽性細胞数および7-AAD(生細胞を染めず、アポトーシス後期の死細胞を染める色素)染色細胞数を測定し、照射後の増殖抑制、DNA合成能低下とアポトーシス誘発を調べた。 神経幹細胞とA172細胞の双方で照射後に線量・線質依存的に増殖が抑制された。一方、神経幹細胞では照射後に線量・線質依存的にアポトーシス後期の細胞が増加したが、A172細胞ではほとんど増加しなかった。また、照射後に、神経幹細胞ではアポトーシス初期の細胞が増加し、A172細胞ではDNA合成能を有する細胞が減少する結果も得ている。以上のように、神経幹細胞とA172細胞では照射後の細胞致死機構が異なる可能性が考えられた。, 第1回QST高崎研シンポジウム}, title = {粒子線照射した神経幹細胞と膠芽腫細胞における 増殖抑制機構の違い}, year = {2017} }