@misc{oai:repo.qst.go.jp:00071951, author = {福津, 久美子 and 伊豆本, 幸恵 and 吉井, 裕 and 栗原, 治 and 藤林, 康久 and 福津 久美子 and 伊豆本 幸恵 and 吉井 裕 and 栗原 治 and 藤林 康久}, month = {Jun}, note = {_x1048596__x1048593_1. はじめに  汚染を伴う被ばく事故では、汚染核種や汚染密度を速やかに評価し、除染を含めた医療措置の必要性を見極めなければならない。また、除染が困難な場合には、体内取り込みを評価するためにも残存量の定量が必要となる。緊急被ばく医療の観点からは、汚染後の経過時間とともに起こる皮膚浸透などを定量性確保のためには考慮しなければならない。Puなどのα放出核種では、定量性を確保するために基礎的検討が重要である。健常皮膚の汚染モデルとしてユカタンピッグ皮膚を用いた実験では、強酸性のPuで高い皮膚浸透性が確認された。そこで、事故として可能性の高い創傷汚染時での検出効率を、同じ実験系で検討した。 2. 実験方法  皮膚モデルとして、ユカタンピッグ皮膚(チャールス・リバー(株))を用いた。角質層はやや肥厚しているが、皮膚表面構造が最もヒト皮膚に近い最適なモデルである。傷モデルとしては、擦り傷、切り傷、刺し傷の3種類を作成した。汚染核種としては、239Pu硝酸溶液(8M硝酸)を用いた。滴下量は10µl(約50Bq)とし、滴下後経時的にα線計測を行った。α線計測には、ZnS(Ag)シンチレーションサーベイメータ(TCS-232B日立アロカメディカル(株))とα線スペクトロサーベイメータ(PASS-100DD (株)プロテック)を用いた。 3. 結果 図1には、8Mの239Pu硝酸溶液を滴下後30分経過した時点でのα線スペクトルを示した。擦り傷モデルでは、表皮を完全に除去した。そのため、硝酸溶液が拡散することなく、直径2〜3mmの半円状を保ち、真皮層とのタンパク凝固作用が進んだ。この過程で汚染部位表面は乾燥しない状態が続き、水分による遮へい効果による計数の低下が顕著であった。遮へい効果は徐々に解消し、4時間後に計数は回復したが、タンパク凝固作用によりスペクトルの形状はブロードであった。切り傷モデルでは、深さ1mm、幅11mmの傷口へ溶液が拡散し、健常皮膚に比べて計数の低下が確認された。刺し傷モデルでは、刺し傷の大きさが深さ2mm、直径2mmと小さかったため、局所に汚染が集中した。その結果、健常皮膚よりも高い計数が得られ、スペクトル形状は最もシャープであった。切り傷と刺し傷では、時間経過に伴う計数値の変化は、健常皮膚同様、汚染滴下後2時間を経過するまで低下する傾向を示した。 以上の結果から、創傷モデルでの定量性確保には更なる検討が必要であることが明らかとなった。実験で使用しているユカタンピッグ皮膚は凍結保存皮膚であるため、擦り傷モデルでの結果が生体での反応を再現しているかどうかの検討が必要不可欠である。また、健常皮膚の汚染モデルでは、酸性度によって皮膚浸透性に差があり、計数効率の違いが確認されている。創傷汚染時にも同様な結果になるかの検討も今後必要となる。, 日本保健物理学会第49回研究発表会}, title = {Pu 創傷汚染時のアルファ線計測に関する考察}, year = {2016} }