@misc{oai:repo.qst.go.jp:00071920, author = {金, 敏植 and 矢島, 千秋 and 金 敏植 and 矢島 千秋}, month = {Mar}, note = {1. はじめに 東京電力福島第一原子力発電所事故(東電福島第一原発事故)により放射性物質が環境中に放出され、地表面に沈着した。事故後、約5年が経過する現在でも、福島県内に居住されている方は放射性物質からの長期被ばくの不安を抱えている。将来にわたる周辺住民の被ばくの影響を考える上で、放射線による長期被ばく線量評価が強く求められる。そこで、本研究では、チェルノブイリ事故の経験から原子力事故後の長期的な被ばくの対策としてEUで開発された住居地域長期被ばく評価モデルERMIN(European Model for Inhabited areas)を用いた東電福島第一原発事故後の福島県における被ばく線量の評価について検討した。 2. 長期被ばく線量評価モデルERMIN ERMINモデルは、対象地域の土地利用情報(地表面の状況や建物の状況などの区分)・原子力事故後の放射性物質の沈着状況(初期の沈着量)・除染に対する方法を入力データとして入力すると①放射性物質の環境減衰効果(Weathering factor)、②再飛散量、③屋内換気・遮蔽、④除染対策(除染効果・除染コスト・除染による廃棄物量)の順に計算が行われ、出力データとして外部・内部の被ばくを含めた長期被ばく線量、除染対策の効果(除染コスト・除染による廃棄物量)が得られる。 3. 再飛散係数の検討 ERMINモデルでの内部被ばく線量計算には再飛散係数が大きく影響する。そこで、東電福島第一原発事故後の観測データ(空気中濃度:C [Bq/m3]、地表汚染濃度:W [Bq/m2])の解析を行い、ERMINで提案されている再飛散係数(=C/W:10-8(m-1))が東電福島第一原発事故の場合でも、ほぼ同じ範囲であることを確認した。 4. 東電福島第一原発事故後の長期被ばく線量計算 上記の観測データの解析を行い適用可能であることを確認したのち、ERMINモデルを用いて東電福島第一原発事故後の福島住民の長期被ばく線量の計算を行った。さらに、観測データとの比較を行い計算結果が妥当であることを確認した。 5. まとめ チェルノブイリ事故後、EUで共同開発された長期被ばく評価モデルERMINを東電福島第一原発事故後の長期被ばく線量計算に適用することを試み、以下の知見を得た。 (1)福島市および東海村の再飛散係数解析結果は、事故後約1ケ月以内についてはERMINモデルと整合していることが確認された。 (2)福島市および郡山市の長期被ばく線量観測値とERMINモデルの計算値は、ほぼ整合していることが確認された。 (3)除染対策を考慮した計算結果は、郡山市の除染効果をほぼ再現していることが確認された。 (4)引き続き、観測データを積み重ねながら、長期被ばく線量推定の精度を上げるようにする。, 環境放射能研究会に参加し、ポスター発表を行う。}, title = {原子力発電所事故後の長期被ばく線量推定手法の検証に関する研究}, year = {2016} }