@misc{oai:repo.qst.go.jp:00071876, author = {松山, 嗣史 and 吉井, 裕 and 伊豆本, 幸恵 and 濱野, 毅 and 酒井, 康弘 and 栗原, 治 and 藤林, 康久 and 松山 嗣史 and 吉井 裕 and 伊豆本 幸恵 and 濱野 毅 and 栗原 治 and 藤林 康久}, month = {Nov}, note = {X線の物質に対する屈折率は1よりわずかに小さい [1]ので、きわめて低い視斜角(90°-入射角)でX線を物質に入射すると全反射する。全反射蛍光X線分析装置はこのX線の全反射特性を利用し、水溶液中の微量元素分析を行うことができる [2]もので、近年注目を集めている。この装置では基盤に滴下・乾燥させた試料に臨界角度未満でX線を入射し、法線方向で蛍光X線を観測する。全反射蛍光X線分析では、臨界角以上の視斜角でX線を入射し試料を分析する従来の蛍光X線分析と比較して、散乱X線の強度が下がり、蛍光X線スペクトルのバックグランド信号強度が減少するので、高感度な分析が可能である。 これまで、排水中のウランを分析するためには放射能測定の前に煩雑な化学処理を行う必要があったが、全反射蛍光X線分析装置を用いた測定方法を確立することにより、迅速かつ簡便に排水に含まれるウランの放射能を測定できると期待される。本研究の目的はウランに汚染された水を模して模擬ウラン溶液を作成し、それを全反射蛍光X線分析することで迅速に排水中のウランの放射能を測定する方法の開発を行うことである。  蒸留水にウラン希釈系列を9:1の割合で混合させることで模擬ウラン溶液を作成した。作成した模擬ウラン溶液の最終ウラン濃度は1、0.5、0.25、0.125 ppm (=μg/g)である。模擬ウラン溶液600μLを簡易エバポレーターで蒸発・乾固し、60μLの希硝酸(0.1 M)で乾燥残渣を溶かすことによって10倍に濃縮した。濃縮した模擬ウラン汚染水を石英ガラス基盤に10 μL滴下・乾燥し、全反射蛍光X線分析装置200TX(ourstex社)[3]で3分間測定した。  測定された全反射蛍光X線スペクトルには、それぞれの試料に含まれるウランや、石英ガラス基盤に含まれるシリコン、空気中に0.9%含まれるアルゴンなどのピークが観測された。また、ウランのL線のNet信号強度はウランの濃度に比例した。また、本方法における検出下限値は0.011 ppmであり、放射能に換算すると1.4×10-4 Bq/cm3であった。法令で定められる排水中のウランの濃度限度は2.0×10-2 Bq/cm3 [4]であり、本研究における検出下限値はこれの1/100程度であった。よって、本手法は核燃料取り扱い施設内にある排水の定期点検や福島第一原子力発電所の廃炉作業中に発見された汚染水のウランの放射能測定に適用することが可能である。 \n参考文献 [1] 河合潤, 表面科学, 22, No.6, (2000), 397-403. [2] 国村伸祐, 河合潤, BUNSEKIKAGAKU, 58, No.12, (2009), 1041-1045. [3] Hiroki Nagai et.al, Adv. X-Ray. Chem. Anal., Japan, 42, (2011), 115-123. [4] アイソトープ法令集 (I) 2014年版 日本アイソトープ協会 丸善株式会社 (2014), 第36回原子衝突若手の会 秋の学校ポスター発表}, title = {第36回原子衝突若手の会 秋の学校ポスター発表}, year = {2015} }