@misc{oai:repo.qst.go.jp:00071799, author = {石井, 伸昌 and 田上, 恵子 and 内田, 滋夫 and 石井 伸昌 and 田上 恵子 and 内田 滋夫}, month = {Jul}, note = {浄水場における浄水過程で生じる沈殿物が浄水発生土である。2011年3 月11日の東京電力福島第一原子力発電所の事故により、浄水発生土が放射性セシウム(134Cs + 137Cs)で汚染され、浄水場での保管量が増大し続けている。従って、汚染された浄水発生土の減量は喫緊の課題である。  保管されている浄水発生土の汚染レベルは様々である。最も多い汚染レベルは100-8,000 Bq/kgで、全体の69%を占めている。次に多いのは100 Bq/kg以下で、全体の30%を占めている。100 Bq/kg 以下の浄水発生土だけでも有効利用できれば、保管量の軽減が期待できる。  事故以前、浄水発生土は園芸用土として有効利用されてきた。浄水発生土を園芸用土として利用する場合、栽培した野菜等への137Csの移行を評価することは重要である。そこで、昨年度は浄水発生土からコマツナへの137Csの移行について報告した。本年度は浄水発生土とともに混合する土壌改良資材により、コマツナへの137Csの移行が抑制および促進することについて報告する。 2.実験方法  赤玉土、黒土、腐葉土、牛糞堆肥、化成肥料、および浄水発生土からなる土壌を準備し、これに土壌改良資材としてバーミキュライトあるいはパーライトを混合した。バーミキュライトは保水性・通気性・保肥性に加えCs収着能が高く、パーライトは種類にもよるが通気性・排水性の効果が期待される。バーミキュライトについては2 mm以上の粒子と、2 mm以下の粒子を準備し、それぞれ別々に土壌と混合した。また、コントロールとしてこれら土壌改良資材を含まない土壌を準備した。以上4種類の土壌を用いてコマツナを28日間栽培した。収穫後のコマツナ及び栽培土は乾燥し粉砕後、Ge半導体検出器で放射性セシウムの分析を行った。半減期補正は収穫時を基準に行った。 3.結果および考察  収穫後、土壌改良材を含まない土壌、>2 mmバーミキュライト混合土壌、<2 mmバーミキュライト混合土壌、パーライト混合土壌の放射性セシウム濃度は、乾燥重量当たりそれぞれ902 ± 35 Bq/kg、968 ± 67 Bq/kg、951 ± 0 Bq/kg、1121 ± 34 Bq/kgであった。バーミキュライトやパーライトを混合した土壌で濃度が高くなったのは、これらの土壌改良資材の比重が小さいためと考えられる。  収穫したコマツナの放射性セシウム濃度は、乾燥重量当たりそれぞれ62 ± 3 Bq/kg、26 ± 0 Bq/kg、< 11 Bq/kg、103 ± 4 Bq/kgであった。明らかに、バーミキュライトを混合した土壌では放射性セシウムのコマツナへの移行が抑制された。また、粒子の大きさが移行の抑制に影響することも分かった。小さな粒子は単位重量当たりの表面積(比表面積)が大きく、より多くの放射性セシウムがバーミキュライトに収着され、その結果コマツナに取り込まれる放射性セシウムが少なくなったと考えられる。一方、最も濃度が高くなったのはパーライトを混合した土壌で栽培したコマツナで、土壌-農作物移行係数も最大であった。今後、パーライト混合土壌で放射性セシウム濃度が高くなった原因について検討する必要がある。 本研究はJSPS科研費 24590775の助成を受けたものです。, 第51回 アイソトープ・放射線 研究発表会}, title = {浄水発生土から野菜への放射性セシウムの移行を抑制および促進する資材}, year = {2014} }