@misc{oai:repo.qst.go.jp:00071777, author = {福田, 有里 and 石田, 聖二 and 石井, 伸昌 and 鏡味, 麻衣子 and 石井 伸昌}, month = {May}, note = {海洋は有機物や栄養塩類が乏しく,真菌類の生息には好ましくない環境といわれてきた.実際,海洋から単離できた真菌類は地球全体の既知種の0.6%に過ぎない.しかし分子生物学的手法の発展により海洋にも多様な真菌類が存在することが明らかになりつつある.本研究では,富栄養な東京湾において,植物プランクトン(有機物)が多い時期に採水し,クローンライブラリー法により海洋表水層中の真菌類を検出することを目的とした.またDNA抽出の際,酵素と熱処理により菌体を溶かすQuick Extractとビーズにより激しく菌体を破砕するBeads Beatingを用いて,検出される真菌類の種組成の違いを比較した.PCR法では真菌類に特異的とされるプライマーEF3/EF4を用い18SrDNA領域を増幅した.シークエンス解析の結果,両抽出方法とも真菌類はわずかに検出され,その種類は抽出方法によって異なった.Quick Extractでは子嚢菌門Beauveria bassiana,Acremonium sp.が検出された.一方,Beads Beatingでは,子嚢菌門Aspergillus penicillioides,Aspergillus versicolor,Talaromyces radicus,担子菌門Rhodotorula mucilaginosa,Rhodotorula glutinis,さらにクリプトマイコータの1種が検出された.これら酵母やクリプトマイコータ,コウジカビが海洋の物質循環において重要な役割を果たしている可能性がある.また抽出方法によって種組成が異なっていたことから,1つの抽出方法のみでは本来の多様性を見逃してしまうと考えられる.またBeads Beatingではキメラ配列が検出され,ビーズによる激しい粉砕によってDNAが断片化された可能性がある.両抽出方法では真菌類のほかに,原生生物が多く検出された.中でもCercozoaは新規系統を含む多様な種が検出された.DNA増幅に用いたプライマーEF3/EF4がケルコゾアの塩基配列と酷似していることから,プライマーEF3/EF4がケルコゾアを検出したと考えられる.以上、東京湾の表層水においても真菌類が存在する事が明らかになった., 日本菌学会第59回大会}, title = {東京湾表層水中の真菌類の検出:DNA抽出法の比較}, year = {2015} }