@misc{oai:repo.qst.go.jp:00071516, author = {小川, 幸大 and 松本, 謙一郎 and 藤崎, 慎吾 and 小川 幸大 and 松本 謙一郎}, month = {Oct}, note = {ヒドロキシるラジカル(OHラジカル)は水の電離を起因として最初に生じる活性酸素種であり、かつその後の反応を通して生体内でのラジカル反応の実行役と考えられる。放射線生物影響を考える上で、OHラジカルを制御することは重要であり、どの程度の量のOHラジカルが発生しているのか知る必要がある。本研究では電子常磁性共鳴(EPR)スピントラッピング法を応用して、水に低LET放射線を照射したときのOHラジカルの生成密度を明らかにした。 スピントラッピング剤としてDMPOを用いた。異なる濃度のDMPO水溶液に32 Gy(3.2 Gy/min)のX線を照射し、OHラジカルアダクト(DMPO-OH)の生成量をEPRにて観察した。反応溶液中のDMPO濃度を増やしたときの、DMPO-OHの生成量との関係を求めた。同様の実験を照射線量(32 Gy)は同じでX線の線量率を4.8 Gy/min、または6.4 Gy/minに変えた場合、および32 Gy(3.9 Gy/min)のγ線について行った。 DMPO濃度の薄いとき、DMPO-OH濃度はDMPO濃度に対して直線的に増加するが、DMPO濃度が3.3 mMの辺りから飽和したのちプラトーに達した。飽和するDMPO濃度は、線量率や線質に関わらず3.3 mMであった。単一面積当たりに飛来する粒子密度の変化に関与しないことから、OHラジカルの生成密度は粒子密度より密であると考えられる。このことからOHラジカルは3.3 mM程度か、それより濃い濃度で生成していることが予測できた。このときの試料中のDMPO-OH濃度は先に予測したOHラジカル生成濃度より低いことから、局所的にOHラジカルが生成していると考えられる。一度プラトーに達したDMPO-OHの生成量は、DMPO濃度が非常に濃いところで、再び原点を通ると思われる直線的な上昇を示した。DMPO濃度を上げることでようやく検出できる、高密度なOHラジカルの生成が示唆された。このような極めて高密度なOHラジカルの生成は制御できないが、低密度のOHラジカル生成は、ある程度の濃度の抗酸化剤で制御できるだろう。, 日本放射線影響学会第57回大会}, title = {低LET放射線によるヒドロキシルラジカルの生成密度の測定}, year = {2014} }