@misc{oai:repo.qst.go.jp:00071406, author = {鈴木, 雅雄 and 鈴木 雅雄}, month = {Jul}, note = {【目的】低線量(率)放射線影響リスク評価の礎となる放射線生物学的基礎研究で重要なポイントを握るバイスタンダー効果は、高LET粒子放射線での研究が先行する一方で、低LET電磁波放射線を利用した研究は、マイクロビーム照射法の開発を含めた実験法の確立の困難さから特に直接照射された細胞の近傍に存在する非照射細胞へのバイスタンダー効果の観点において非常に限られた研究しか行われていないのが現状である。本研究は、BL27Bに設置された単色X線マイクロビーム照射システムの利点を最大限に生かし、(1)低LET電磁波放射線によるバイスタンダー効果の誘導、(2)細胞の限定された部位(細胞核、細胞質)を狙い撃ったときに観察されるバイスタンダー効果の誘導、(3)それらの効果の誘導メカニズム、を解明する目的で計画した。 【実験方法】 細胞は、公的な細胞バンクより供給されたヒト胎児皮膚由来正常線維芽細胞を用いた。細胞致死効果はコロニー形成法による増殖死を検出した。単色X線マイクロビームの照射は、BL-27Bにおいて5.35keVに単色化されたマイクロビームを用いて行った。マイクロビーム照射用のディッシュ上に隣り合った細胞同士が情報伝達可能な密度(約600細胞/1.0-1.5µm in diameter)に培養した細胞の核をヘキストで染色し、コンピューター制御されたシステムにより一つ一つの細胞核の座標を抽出・記憶させ、100%の細胞核とランダムに選択した10%の細胞核にそれぞれ10µmx10µmに絞ったマイクロビームを40R照射した。 【結果および考察】 得られた細胞生存率は、100%核照射が52%、10%照射が79%となった。ここで細胞核にマイクロビームを照射された細胞のみに致死効果が誘導されると仮定すると、100%照射の生存率より10%照射の細胞集団で期待される生存率は95%と計算される。しかしながら、実際に得られた10%照射の生存率は79%であり、予想を遙かに下回った。この結果は、10%照射の細胞集団で直接マイクロビームを照射された細胞以外の非照射細胞にも間接的なメカニズムで細胞致死が誘導されたと考えられる。すなわち、今回用いた実験系により細胞致死効果に対するバイスタンダー効果の誘導が証明された。, 第28回PFシンポジウム}, title = {単色X線マイクロビームを利用した細胞核限定的照射に対する細胞致死効果のバイスタンダー効果}, year = {2011} }