@misc{oai:repo.qst.go.jp:00071137, author = {岩田, 佳代子 and 田上, 恵子 and 内田, 滋夫 and 岩田 佳代子 and 田上 恵子 and 内田 滋夫}, month = {Feb}, note = {2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震(マグニチュード9.0)と、それに伴って発生した津波に起因する福島第一原子力発電所の事故により、Cs-137(物理的半減期30年)を含む多量の放射性核種が環境中に放出された。放射性核種で汚染された飲食物の摂取によって起こる内部被ばくを評価する場合、Cs-137の様に物理的半減期が比較的長い放射性核種については、飲食物の汚染が継続する事が考えられ、消費者の内部被ばくも長期にわたる恐れがある。このため、将来にわたり,食品の汚染レベルを評価する必要がある。これまでに、生物内の半減期を含むCs-137の挙動を対象とした実験研究がなされているものの、実環境中での生物内の半減期についての研究は十分でない。 本研究は、事故により汚染された海洋生物種毎の実環境中での生態学的半減期を求め、種間差等様々な検討を行ったものである。海洋生物種の生態学的半減期は、福島県ウェブサイトの農林水産物モニタリング情報から収集したデータを元に推定した。データ分析の対象種は日本人の日常的な海産物食品から選出した。福島県沖で捕獲した海産物のデータは、Cs-137濃度に地域差が有る為、福島第一原子力発電所に対する南北二つの地域に分類した(南部はいわき市沖、北部は新地町・相馬市・南相馬市沖を含む)。また、福島県沖のデータを相対的に評価する為、県外のデータ(ヒラメ、アイナメ、カツオ)も用いた。生態学的半減期は指数近似曲線の式から算出した。そして、生息場のCs-137濃度を評価するため,同式から100日の時点における濃度を求めた。 事故100日経過後のCs-137濃度については南部、主に沿岸・岩礁性魚類の多くにより高い濃度(68〜490Bq/kg)が検出された。他都道府県からの同種のデータを見ると、福島県沖のCs-137濃度の7−20%と大きく下回るものであったが、南部および北部に分けて導出した生態学的半減期はそれほど大きな違いは認められなかった。回遊魚のマアジとカツオに関しては、100日目のCs-137濃度(12〜50Bq/kg)は岩礁域及び沿岸の限られた範囲にのみ生育する魚と比べて比較的低い値であった。この理由として、回遊しているため,生息場全体の平均Cs-137濃度が低いためと考えられる。 本調査では下限値以下のデータ(0〜80%)は含まれておらず、Cs-137濃度低下が著しい種ほど生態学的半減期及び算定濃度の過大評価される傾向があり、今後、そのような数値の処理法を吟味する必要がある。さらには、生態学的半減期の種間差ならびに地域差、Cs-137蓄積における種間差を含む水圏生物中でのCs-137の挙動解明の為、継続的なモニタリングとより多くの種類別データが必要である。, 第14回環境放射能研究会}, title = {福島県沖の海洋生物中の放射性セシウムの生態学的半減期}, year = {2013} }