@misc{oai:repo.qst.go.jp:00071029, author = {徳永, 正希 and 前田, 純 and 季, 斌 and 辛, 龍文 and 樋口, 真人 and 須原, 哲也 and 徳永 正希 and 前田 純 and 季 斌 and 辛 龍文 and 樋口 真人 and 須原 哲也}, month = {Dec}, note = {【目的】 代謝型グルタミン酸受容体サブタイプ5型(mGluR5)はシナプスにおいて,いくつかの膜タンパクを介してNMDA受容体とカップリングしており,このカップリングはグルタミン酸神経伝達の調節に関与していると考えられる.さらにグルタミン酸神経伝達の変調が関わる精神疾患症状の発現機構には,このカップリングメカニズムの機能異常が関与する可能性がある.本研究では,精神作用を示すフェンサイクリジン(PCP)投与病態モデルラットに対し,mGluR5アロステリック部位に結合する新規PETリガンド (E)–3((6–methylpyridine–2-yl)ethynyl)–cyclohex–2–enone-O- [11C]methyloxine ([11C]-E-ABP688)を用いてmGluR5の生体内イメージングにより,受容体カップリングメカニズムを解明することを目的としている. 【対象・方法】 動物はSD系雄性ラット(n = 4)を用い,麻酔の影響を避けるためにPET測定は覚醒下で行った.覚醒下でのPET測定のため,予めラット頭部に固定具を取り付ける処置を行った. [11C]-E-ABP688を尾静脈より投与し,90分間PET撮像し,画像解析により脳の各部位における時間放射能曲線を作製した.薬物動態解析はmGluR5の存在が極めて少ない小脳を非特異的分布として,受容体結合能(BPND)を推定した.非競合的NMDA受容体阻害薬のPCPをスキャン開始30分前より投与し(1および3 mg/kg, i.v.),以後20分毎に追加投与を行った.また,PET測定時の脳内アミン酸の変化を再現するため,PET測定時の実験条件と同じプロトコールで薬物投与を行い,マイクロダイアリシス法により線条体および海馬におけるグルタミン酸の定量を行った. 【結果】 活性異性体であるE体をPETリガンドとして使用し,ラット覚醒下において [11C]-E-ABP688によるPETスキャンを実施した結果,mGluR5が高発現している海馬、線条体、大脳皮質において集積が確認された.PET画像解析により算出されたBPNDは,前頭前野,3.87±0.57;線条体,3.87±0.42; 海馬, 2.77±0.57であった.さらにPCPを前投与すると,BPNDはそれぞれの領域で約15%程度減少した.またラット脳切片を用いたオートラジオグラフィー(ARG)においても,海馬,線条体,大脳皮質において集積が確認された.しかしながらARGでは,PCP添加により受容体結合に影響が認められなかった.またPET測定時と同じ条件でマイクロダイアリシス法を行ったところ,脳神経細胞外でのグルタミン酸レベルの緩やかな上昇が確認された. 【考察】 活性異性体をPETリガンドとして使用することで,覚醒下においてもラセミ体使用における報告値(Eimenhorst et al., SYNAPSE. 2012;66:552)よりも高い受容体結合を示した.このことは[11C]-E-ABP688が臨床研究に応用された場合においても,より高感度で受容体結合能を検出できる可能性を示唆している. PCP投与によるBPNDの減少は,ARGの結果からPCPがmGluR5へのABP688の結合を競合的に阻害したのではないと推測される.また,ABP688はアロステリック型の結合であるため,グルタミン酸レベルの変化による影響もないと考えらえる.このことから,PETにおける受容体結合能の変化は, NMDA受容体とmGluR5の相互作用によるものであると示唆される.こうした相互作用はNMDA受容体阻害薬の精神作用に関わる可能性があり,さらに詳細に検討することで,グルタミン酸神経伝達の変調に基づく精神疾患症状の発現機序解明につながると考えられる., 第45回 精神神経系薬物治療研究報告会}, title = {病態モデルラットにおけるmGluR5-NMDA受容体カップリング機構の画像解析}, year = {2012} }