@misc{oai:repo.qst.go.jp:00070997, author = {城, 潤一郎 and 青木, 伊知男 and 佐賀, 恒夫 and 城 潤一郎 and 青木 伊知男 and 佐賀 恒夫}, month = {Nov}, note = {【緒言】 がん免疫治療の成功のためには、治療に関与する因子および細胞を時空間的にがん組織内へ配置させることが重要である。活性化マクロファージは、がん免疫治療において中心的な役割を果たしている細胞である。活性化マクロファージを用いたがん免疫療法では、マクロファージを効率よくがん組織へ集積、活性化させることが重要となる。Find meシグナルは、死細胞から放出され、マクロファージを誘引することが知られている。このFind meシグナルとマクロファージの活性化物質とを同時にがん組織へデリバリーできれば、マクロファージをがん組織へ集積、活性化させることができる。本研究では、ナノ薬物送達(DDS)技術を駆使して、Find-meシグナルとマクロファージ活性化物質とを同時に含み、がん組織へデリバリー可能なナノ構造体(DDS型Find meシグナル)の創製および評価を試みた。 \n【実験】 Find meシグナルとしてリン脂質のリゾフォスファチジルコリン(LPC)を、マクロファージの活性化物質としてリポ多糖(LPS)をそれぞれ選択した。LPC、LPS、およびポリエチレングリコール‐リン脂質(PEG脂質)を含むエタノール水溶液中へ、ポリ(乳酸−グリコール酸)共重合体(PLGA、LA:GA=50:50、分子量10,000)のアセトン溶液を滴下しナノエマルションを形成、その後有機溶媒を蒸発させることにより、LPC、LPS、およびPEG脂質が表面修飾されたPLGAナノ粒子を作製した。作製したナノ粒子のサイズ、LPCおよびLPS修飾量を測定した。ヒト単球細胞株のTHP-1細胞を用いて、作製したPLGAナノ粒子の誘引能を調べた。近赤外領域の蛍光色素を内包、PEG脂質を修飾したPLGAナノ粒子を作製し、担がんマウスへ投与、蛍光イメージングによりがん組織集積能を評価した。 \n【結果と考察】 滴下するPLGAの濃度を変化させることにより、PLGAナノ粒子のサイズを制御することができた。これは、アセトンと水との高い相溶性により、PLGAナノ粒子のサイズが、滴下されるPLGA濃度に依存するためと考えられる。LPC、LPS、およびPEG脂質の仕込み量に依存して、それらの表面修飾量は変化したが、表面修飾によるナノ粒子のサイズ変化はほとんど観察されなかった。このことから、LPC、LPS、およびPEG脂質は、それらの疎水基を介して単層で修飾していることが示唆された。THP-1細胞は、LPC未修飾PLGAナノ粒子を含む培養液と比較してLPC修飾PLGAナノ粒子を含む培養液へ多く移動した。これは、PLGAナノ粒子を修飾したLPCによってTHP-1細胞を誘引したためと考えられる。近赤外領域の蛍光色素を内包、PEG脂質を修飾したPLGAナノ粒子を担がんマウスに投与すると、がん組織へ集積した。これは、PEG修飾によって血中安定性が向上し、いわゆるEnhanced permeability and retention (EPR)効果によりがんに集積したものと考えられる。以上の結果から、Find-meシグナルとマクロファージ活性化物質とを同時に含み、がん組織へデリバリー可能なDDS型Find meシグナルを作製できたと考えられる。 \n今後は、作製したDDS型Find meシグナルを用いたがん治療効果およびそのメカニズムについて調べる予定である。, 日本バイオマテリアル学会大会シンポジウム2012}, title = {がん免疫治療の効果増強を目指したDDS型Find meシグナルの作製}, year = {2012} }