@misc{oai:repo.qst.go.jp:00070944, author = {織田, 裕子 and 松田, 知栄 and 岡田, 知子 and 浅田, 眞弘 and 鈴木, 理 and 中山, 文明 and 今井, 高志 and 今村, 亨 and 松田 知栄 and 中山 文明 and 今井 高志 and 今村 亨}, month = {Sep}, note = {健常な血管では血管内皮細胞は単層で内腔を覆い、選択的な細胞・物質透過を司るが、放射線治療や炎症などの急性期の病理的局面に、これらの機能が破綻することが知られている。一方、病理的局面における血管内皮細胞は、細胞環境からのfibroblast growth factor (FGF)やvascular endothelial growth factor (VEGF)など細胞増殖因子のシグナルによって、細胞遊走・増殖・分化を制御され、血管新生や血管壁の透過性変化が起こることも知られている。我々はこれまでに、高線量放射線被ばくによる障害の予防・治療に向けた細胞増殖因子の利用を目指して、安定な物性と高い生物活性を有するFGF1/FGF2キメラのFGFCを創製し、実験動物を用いたマクロな評価系により、放射線腸管障害等に対する放射線防護活性を示してきた。本研究では、ヒト臍帯静脈から単離された血管内皮細胞が受ける放射線障害を増殖の観点から評価する系を構築し、その系を用いてFGFシグナルの有無が放射線障害に与える影響を評価することにより、血管内皮細胞に対する放射線防護剤としてのFGFCの有効性を検証することを目的とした。 解析対象には、個人の臍帯静脈から単離した、初代培養ヒト血管内皮細胞(HUVEC)を用いた。HUVECを、血清を含む培養液中で、FGFCシグナルの存在下・非存在下において、X線で照射した。この条件でHUVECはFGFの存在に依存して増殖するが、FGFが存在しない場合も長期間にわたって生存することを予め確認している。照射後、全てのHUVECはFGFCの存在下で培養し、細胞増殖をコロニー形成率と細胞数増加により評価した。その結果、0 Gy〜4 Gyの範囲で、HUVECのコロニー形成率と増殖が共に線量依存的に抑制された。さらに、一定の線量範囲では、FGFCシグナルの存在下で被ばくした場合に、放射線障害の程度が抑制された。これらのことから、HUVECの増殖に対する放射線影響を、比較的低線量で観察可能であること、この障害の軽減にFGFC前処理が有効であることが強く示唆された。今後、FGFCの有する細胞保護効果の分子機構とともに、細胞周期や他のシグナルとの関連などについて解析を行い、血管内皮細胞の放射線障害を抑制する目的でのFGFCの実用的使用に向けた課題を明らかにする。, 日本放射線影響学会 第55回大会}, title = {ヒト血管内皮細胞の放射線誘発性増殖障害に対する細胞増殖因子FGFCの抑制効果}, year = {2012} }