@misc{oai:repo.qst.go.jp:00070874, author = {矢島, 浩彦 and 藤澤, 寛 and 平川, 博一 and 中島, 菜花子 and 岡安, 隆一 and 藤森, 亮 and 矢島 浩彦 and 藤澤 寛 and 平川 博一 and 中島 菜花子 and 岡安 隆一 and 藤森 亮}, month = {Sep}, note = {放射線で誘発される損傷の中でもDNA二本鎖切断 (DSB) は重篤な損傷であり、重粒子線による癌細胞殺傷効果もDSB誘発が主たる要因になっていると考えられる。重粒子線によって生じたDSBは近傍に複数の損傷が同時に生じていると考えられ、複雑な損傷などと呼ばれる。LETの差による損傷構造の違いによってDNA損傷応答の初期反応にどのような違いが生じるかを明らかにする事で初めて生物学的エンドポイントの違いがどのように生じるかが解き明かされると考えられるが、これまでに得られている知見はほとんどなかった。従って本研究では、重粒子線によってもたらされるDNA損傷に特異的な初期応答を、リン酸化を中心としてX線と比較しながら解析した。  ヒト細胞において主要なDSBの修復系は非相同末端結合 (NHEJ: Non-Homologous End Joining) と相同組換え (HR: Homologous Recombination) によるものである。重粒子線によって生じるDSBはNHEJによる修復の効率が低いと考えられているが、実際に両修復経路の寄与のバランスがX線と比べてどの様に違っているか、詳細な検討はなされて来なかった。HRの初期過程はDNA末端リセクション(DNA end resection = 一本鎖DNAの削り込み)と呼ばれており、そこで中心的な役割を果たすCtIPのリン酸化のレベルをまず検証した。また、その後に生じるRPAのリン酸化も同時に調べた。その結果、同じ線量では重粒子線照射によってX線よりはるかに強いシグナルが観察され、より多くのHRへと進行する反応が実際に起きていることが初めて分子レベルで確認でき、LETに依存してHRへの依存度が上昇していくことが示唆された。また、これらの反応がATM依存的であること、ユビキチン結合因子RNFの経路が関与していることを示す結果も得られた。蛍光抗体法によって、リセクション活性の指標となるRPA focusの明瞭なトラックが観察できた。X線とは異なり、ヘテロクロマチン内に限らずユークロマチンに生じたDSBでもリセクション反応を受けていることも明らかになった。重粒子線損傷の修復においてはHR経路の寄与が多きいことが明瞭になったため、この経路が特に重粒子線治療で有効な増感標的となることが期待される。, 日本放射線影響学会 第55回大会}, title = {重粒子線によるDNA二本鎖切断が誘発するDNA末端リセクション}, year = {2012} }