@misc{oai:repo.qst.go.jp:00070838, author = {柳原, 孝太 and 吉井, 裕 and 今関, 等 and 濱野, 毅 and 鈴木, 敏和 and 田嶋, 克史 and 杉浦, 紳之 and 酒井, 康弘 and 柳原 孝太 and 吉井 裕 and 今関 等 and 濱野 毅 and 鈴木 敏和 and 田嶋 克史 and 杉浦 紳之}, month = {Jul}, note = {東京電力福島第一原子力発電所事故からの復旧・復興作業において、溶融したウランやプルトニウムを含む燃料物質による汚染を伴う事故が起こる可能性がある。しかし、体表面(とくに創傷部)がこれらの物質によって汚染された時に、現場で迅速に評価する手段は限られている。たとえば、ウランやプルトニウムから放出されるα線の飛程は短く、αサーベイメーターによる検査では損傷部の体液などにより遮蔽され測定が難しい。そこで、我々は蛍光X線分析によって創傷部のウランやプルトニウムを含む重金属を検出する方法について検討している。蛍光X線分析では対象に対してX線を照射する必要があるため、人体に対して蛍光X線分析をした例は少ない。しかし、Nieらは骨中鉛の蛍光X線分析を行うために人体を模したファントムのほか、骨への鉛集積が疑われる患者に対して蛍光X線分析を適用している[1]。また、体表面ヒ素およびセレン汚染の蛍光X線による検出を目的とした研究もおこなわれている[2]。本研究では、重金属による体表面汚染の蛍光X線分析法の確立をめざし、鉛体表面汚染の定量評価法について検討した。 鉛白絵具(白色油絵具)は質量比60%の鉛を含んでいる。これを油絵具用の溶剤(ペトロール)で希釈し、クリスタルレジン?(エポキシ樹脂)で固化した(0, 2, 5, 10, 15ppm)。クリスタルレジン?の密度は1.06g/cm3であることから液体(血液等)に鉛が含まれていることとおよそ等価になる。これを蛍光X線分析装置(SII SEA1100)で測定し、鉛濃度と信号強度の相関を得た。検出限界(MDL)は、回帰直線の傾きをA、濃度0 ppmの時の強度のばらつきをσ0としたとき、以下の式(1)で表すことができる。   MDL = 3σ0 / A  (1) 最も照射した線量の低い測定条件(管電圧:50 kV、管電流:20 μA、測定時間:60 sec)におけるMDLは0.4 ppmであった。 また、平行平板型電離箱(Capintec PS-033)による測定の結果、試料の吸収線量は約2mGyであった。これは、局所被ばくの等価線量でおよそ2 mSvの被ばくで0.4 ppmの鉛表面汚染が検出できることを意味する。なお、このとき、照射野(2 mm)と深さ方向の検出範囲(約50 μm)から推定される鉛の量はおよそ70 pgである。 鉛の使用規制が強まった現在においても、工業用塗料や油絵具では鉛を含む白色塗料が使用されており、これによる鉛毒性の評価が問題となっている。本研究は、重金属による体表面汚染の蛍光X線分析の一例としてのみならず、塗装作業者や画家などにおける鉛含有塗料による体表面汚染の評価方法としても有効である。 [references] 1. Nie et. al., Phys. Med. Biol. 56 (2011) N39-N51 2. Gherase et. al., Appl. Radiat. Isotopes 68 (2010) 743-745, 原子衝突学会第37回年会}, title = {鉛体表面汚染の蛍光X線分析}, year = {2012} }