@misc{oai:repo.qst.go.jp:00070800, author = {榎本, 宏子 and 高田, 真志 and 中川, 貴司 and 鈴木, 敏和 and 榎本 宏子 and 高田 真志 and 中川 貴司 and 鈴木 敏和}, month = {Jun}, note = {1.はじめに  われわれは、福島第1原子力発電所の事故で放射線医学総合研究所に入院した患者の線量評価のための放射能計測に従事している。γ線計測に比較してストロンチウムなどの純β線核種の検出には専門的な化学分析の知識や技術が必要とされる上に、詳細な検出にはほぼ1ヵ月という長時間を要する。しかし、緊急時は、迅速なβ線核種の同定が必要であることから、迅速にβ線核種を検出するために、固相抽出法を用いて評価手法の検討を行った。検出対象としては、汚染した足の洗浄水であり、真水中の放射性ストロンチウム検出を実施した。固相抽出法としては、カラムを用いる方法と、ディスクを用いる方法があるが、硝酸濃度の扱いやすいことから、ラドディスクを用いる方法を選んだ。β線検出は、液体シンチレータの廃液処理の課題から、自動サンプルチェンジ式低バックグラウンドβ線スペクトロメータ(ピコベータ)を用いた。 さらに、環境中の放射性ストロンチウムと放射性セシウムとの配分率は1対1,600であるという報告があり、放射性セシウムが高い比率で存在する中での放射性ストロンチウムの検出方法を検討したので報告する。 \n2.方法  SrラドディスクはEmporeTM Disks(住友スリーエム株式会社輸入販売)の 47mmφのものを用いた。機器としては、吸引マニホールド、47mmガラスウエア、バキュームコントローラと廃液リザーバーおよび吸引ポンプである。方法としては、ラドディスクをマニホールドにセットした後、メタノールと2Mの硝酸溶液で洗浄とコンディショニングをおこない、試料液を3Mの硝酸溶液にして50ml/minの速度で通液し、2Mの硝酸液でリンスしてから通風してディスクを取り出し、短時間で乾燥させるためにアセトンを用いて乾燥した。その後、粘着テープに乾燥したディスクを貼り付け、サランラップで封をして、プランチェットに入れ、ピコベータで計測した。ディスク中のSrとCsの捕集効率を評価するために、90Sr、89Srについて1、10、100Bqの3M硝酸液を各100ml用意し、137Cs を10,000Bq/1ml添加した。その他に90Sr と89Sr それぞれ単独に1,000Bq/100mlの3M硝酸液を用意して同様に通液し、ストロンチウムをディスクに捕集させて、ピコベータ及び、Ge検出器で計測した。137Csのラドディスクに対する干渉に関しては、あらかじめ同じ137Cs標準面線源でGe検出器とピコベータの校正をしておき、試料通液後のラドディスクをGe検出器で計測して137CsのBq数を求め、ピコベータのスペクトル中からの137Csの内部転換電子分の計数を考慮して137Cs分を差し引くことにより90Srおよび89Srの計数を求めた。 \n3.結果および結論 90Srは、90Yを分離した直後から90Yがミルキングにより増加し始めるので分離後短時間で計測する必要がある。今回のこの方法では、分離後1.5時間で60分計測を終了できるため、90Yの計数は1%程度で計数のほとんどが90Srである計測ができることがわかった。また、90Srと89Srのスペクトルの形状が前述の足の汚染の洗浄水のスペクトルと良い一致を見ることができ、足の汚染水中の89Srと90Srの存在が確認できた。さらに、137Csの干渉については、8試料での平均で0.15%が捕集されたが、高い比率でセシウムの存在する場合は、Ge検出器による計測を併用することで137Csの寄与分を引算する必要があることがわかった。 今回の検討で緊急時の迅速な放射性ストロンチウムの検出が可能となった。今後、134Csのディスク中の捕集率と定量方法や海水中の放射性ストロンチウムの検出等について検討していく。, 日本保健物理学会第45回研究発表会}, title = {緊急時における放射性ストロンチウムの迅速検出法の検討}, year = {2012} }