@misc{oai:repo.qst.go.jp:00070556, author = {富安, もよこ and その他 and 富安 もよこ}, month = {Oct}, note = {【目的】in vivo 1H MRSによる脳内代謝物変化の観測により、患者鑑別診断や経過・予後の推定評価ができれば、より適切な治療を行うことができる。よって、我々は臨床用MR装置を用いて、片側急性小脳炎患者の経時的なMRS測定を行い、脳内代謝産物と臨床経過を対比させ、この技術の臨床的有用性について検討することを目的とした。 【方法】対象は14歳男児の左片側急性小脳炎患者1名。3T MR検査(Siemens, Verio)は来院後1, 7, 25, 201日目の4回行った。MRSはPRESS(TE/TR=30/5000ms)シーケンスを用い、選択領域(10.9-17.3ml)は、左右小脳、基底核または半卵円中心とした。定量解析はLCModelにより行い、4つの代謝物−N-アスパラギン酸(NAA)、コリン(Cho)、ミオ-イノシトール(mIns)、グルタミン酸(Glu)およびグルタミン(Gln)の総量(Glx)−をクレアチン比で評価した。また対照群(n=12, 12.5±3.3歳)のMRSと比較した。 【結果】左小脳において、経時的信号変化が観測された: 1, 7日目にGlxが上昇(> 対象群の平均±2SD)、NAAおよびmInsが減少し、201日目にこれら3つの代謝物は正常範囲になった; 25日目にChoが上昇した。 【考察】今回調べた4つの代謝物は201日目には全て正常範囲に戻り、これは中枢神経系の機能の回復を示唆し、臨床経過とも一致していた。各代謝物の変化については、1. NAA減少は一時的なミトコンドリアの機能不全によるもの、2. Glxの上昇によりa) Gluによる興奮性神経毒、およびb) Glnの星状膠細胞蓄積による細胞浮腫の影響の可能性、3. mIns減少は、細胞内Gln蓄積による浸透圧変化の調節のため、4. Cho上昇は、脳炎後の細胞膜代謝の亢進を反映している、などの原因や影響が考えられた。またこれらを小脳炎の診断マーカーとして活用し、1) 1日目のCho無変化による鑑別診断としての進行性小脳腫瘍除外の判断、2) Glx変化による細胞浮腫の状態評価、3) 代謝物の正常範囲内への回復から中枢神経系の回復の評価、などを行うことができた。 【結論】in vivo 1H MRSの観測よる脳内代謝物変化は、患者の症状と関連性し、鑑別診断や経過・予後判定に有用な情報を提供できることが示唆された。, 第39回日本磁気共鳴医学会大会}, title = {片側急性小脳炎患者における in vivo 1H MRSによる脳内代謝物濃度の経時的モニタリング}, year = {2011} }