@misc{oai:repo.qst.go.jp:00069969, author = {別所, 央城 and 長谷川, 安都佐 and 溝江, 純悦 and 別所 央城 and 長谷川 安都佐 and 溝江 純悦}, month = {Apr}, note = {目的 頭頸部悪性腫瘍に対する放射線治療後の副作用として、口腔内の放射線粘膜炎がある。その際、味覚異常を訴えることがあり、これは患者にとって苦痛のひとつである。しかし、放射線治療時の味覚障害について解析した報告は少ない。味覚異常を訴える症例では、腫瘍と顔面神経(鼓索神経)や舌咽神経が、近接または巻き込まれていることが多い。本研究の目的は、重粒子線治療後の味覚障害が、これらの神経が照射されたために起こるものなのか、粘膜反応に伴う味蕾の消失によって起こるものなのかを解明し、重粒子線治療患者のQOLの維持に役立てることにある。 方法 耳鼻科や口腔外科で一般的に行われている味覚検査である濾紙ディスク法(甘味・塩味・苦味・酸味の基本4味覚)を用い、口腔粘膜が照射野に含まれる症例を対象とした。検査部位は、左右の舌前方、舌後方、口蓋粘膜の計6カ所で行い(図3)、評価方法は、試薬の濃度により6段階で評価し、1〜3点までを標準、4〜5点を味覚異常、6点を認知不能とした。検査時期は、照射開始前、照射中、照射後で経時的に測定した。 結果 13例に対し、味覚検査を行った結果、味覚異常の訴えはあるものの照射部位に限局した4〜5点の味覚低下を認めるのみで完全脱失は認めなかった。また、その他の味覚は標準値をほぼ満たしていた。なかでも比較的長期にわたり測定可能であった、左上咽頭〜軟口蓋扁平上皮癌の症例(図1・2 )では、照射後4ヶ月まで味覚異常を訴えていたが、舌の味覚は時間とともに回復し、照射後4ヶ月時点ではほぼ標準値となった。一方、腫瘍が存在する口蓋粘膜では照射後4ヶ月でも標準値を超えていたが、粘膜反応の最大時と比較すると改善傾向が認められた(図4:患側の舌後方および口蓋部の測定結果を示す)。 考察 一般的に行われている味覚検査(濾紙ディスク法)で、重粒子線治療後の味覚障害の程度を客観的に評価することが可能であった。今回の解析結果から、放射線粘膜炎が回復した後も、味覚障害は継続していた。しかし、患者の訴えにも関わらず、部位によっては味覚障害が改善していることが確認された。また、腫瘍が関連する場所であっても、改善傾向が認められたことから、重粒子線(放射線)治療後に起こる味覚障害は、神経障害によるものではなく、粘膜炎に伴う味蕾消失の関与が強く示唆された。今後も症例を蓄積し、長期にわたり経時的に測定することで、重粒子線治療の安全性を解明する。, 平成19年度理事長調整費創成的・萌芽的・指定型研究 成果発表会}, title = {重粒子線治療における味覚障害の客観的評価・治癒期間}, year = {2008} }