@misc{oai:repo.qst.go.jp:00069963, author = {高萩, 真彦 and 高萩 真彦}, month = {Nov}, note = {哺乳動物細胞における低線量率放射線影響の特徴は、突然変異誘発頻度などの 線量率効果関係が変則的となる線量率レンジが見出されることである。同じ総線 量を与える(従って照射時間を変えた)条件で高線量率から低線量率へと照射強 度を緩和していくと、その程度に応じて細胞致死や突然変異誘発頻度は漸次に低 減していくが、致死効果の認められないレベルまで線量率を減弱したときには、 突然変異誘発頻度が下げ止まったり、逆に発生頻度の上昇(逆線量率効果)が引 き起こされることが示されている。この反応性は1細胞周期当たりに導入される DNA 損傷数の減少とは相関しておらず、低線量率側での DNA 代謝機構の質的変 化を示唆する。同様のレスポンスは種を越えて観察されている。例えば DNA 二 本鎖切断(DSB)損傷に起因する遺伝的組み換えや染色体異常などの生物学的指 標でも確認されており、低線量率放射線応答の分子基盤が DSB を共通項とする ことの論拠を与えている(Knudson AG ら)。演者は、この低線量率レンジにお ける線量率応答の変則性に関心をもっており、この局面では生理的に自然発生す る内因性 DSB に適した error-free 修復系と、より高い線量率における放射線 曝露に対する非常時の修復系が拮抗しているという作業仮説を援用して、 DSB 代謝因子の動態からこの実相に迫りたいと考えている。  本研究では、突然変異誘発頻度が下げ止まる線量率レベルにおいて、 DNA 代 謝関連蛋白質の構造と機能に何らかの変化が生じているどうかを試験した。実験 には、知見の豊富なヒトリンパ芽球様細胞を用いて、5 mGy/hr にて γ線を照射 (総線量: 〜3 Gy)し、成分解析の出発材料とした。その細胞核抽出液より DNA 結合性蛋白質を選別した上で、非照射細胞由来成分との比較を行った。その結 果、切断構造をもつ DNA を標的とした多因子会合性を含む親和性試験におい て、複数の蛋白質に機能変化が生じている可能性を見いだした。今回はその経過 を報告する。, 日本放放射線影響学会第52回大会}, title = {日本放射線影響学会第52回ポスター発表}, year = {2009} }