@misc{oai:repo.qst.go.jp:00069519, author = {石井, 伸昌 and 府馬, 正一 and 中森, 泰三 and 吉田, 聡 and 石井 伸昌 and 府馬 正一 and 中森 泰三 and 吉田 聡}, month = {Oct}, note = {<はじめに>  微生物は地球上至るところに生息しており、様々な元素や化合物の変換や物質循環にかかわっている。こうした微生物の活動は、生態系の構築に大きく寄与している。  これまでの研究は、環境中に生息する個々の微生物種を理解することが中心であり、その積み重ねにより、我々は微生物生態系に関する理解を深めてきた。一方、自然環境では個々の微生物種が集まり群集となり、群集内での相互作用および周りの環境との相互作用により微生物生態系が形成されている。従って、個々の生物種を個別に理解するだけでなく、群集全体を理解することも重要である。近年では、分子フィンガープリントやメタゲノム解析などにより群集を群集として理解する研究が行われるようになり、群集構造については情報が蓄積しつつある。一方で、微生物群集の包括的な遺伝子発現については情報が不足している。  放医研で開発されたHigh Coverage Expression Profiling(HiCEP)法は、遺伝子発現解析において遺伝子の配列情報を必要とせず、既知遺伝子はもちろんのこと、未知遺伝子や非翻訳型RNAの発現を網羅的に解析できる方法である。つまり、HiCEP法における遺伝子発現解析は生物種に依存することなく全ての真核生物の遺伝子発現が解析の対象となる。HiCEP法における、この網羅的遺伝子発現解析の利点は、微生物群集の遺伝子発現解析にも利用できることが期待できる。本研究では、真核微生物群集を対象に群集全体の遺伝子発現を包括的に評価する手法としてHiCEP法の有効性について検証した。 \n<実験方法>  水田由来の微生物群集から、RNeasy (Qiagen, Chatsworth, CA)を用いRNAの抽出を行った。最終的に得られたRNAはRNeasy MinElute Cleanup Kit (Qiagen, Chatsworth, CA)を用いて精製し、HiCEPに使用した。  HiCEP法による遺伝子発現解析は、放医研のHiCEP解析ユニットで行った。HiCEP法による遺伝子発現解析では、発現した遺伝子はキャピラリー泳動における泳動ピークとして得られる。HiCEP法の原理および手法の詳細はポスター発表で述べる。 \n<結果と考察>  HiCEP法で得られたピーク(HiCEPピーク)数は12,523ピークであった。つまり、真核微生物群集として少なくともこの数の遺伝子が発現していたことを意味している。いくつかのHiCEPピークの塩基配列を決定したところ、例えばUbiquinol-cytochrome c reductase iron-sulfur subunitやLeucine dehydrogenaseなどの遺伝子の発現が確認できた。一方で、決定した配列の多くがHypothetical proteinや、データベースに未登録の配列であった。これは、HiCEP法が未知遺伝子も網羅的に検出できることを示唆している。以上の結果から、HiCEP法による微生物群集を対象とした網羅的遺伝子発現解析は可能であり、直接的および間接的相互作用を含んだ群集全体の遺伝子発現を包括的に評価する手法としてHiCEP法が有効であることが分かった。今後、HiCEPピークの塩基配列情報の蓄積が重要である。 \n<謝辞> High Coverage Expression Profiling (HiCEP)を行うにあたり、放射線医学総合研究所先端遺伝子発現研究グループの皆様に多大なご助力を頂いた。本研究は、放射線医学総合研究所理事長調整費萌芽的研究の助成を受けて行われた。, 日本陸水学会第73回大会}, title = {真核微生物群集の網羅的遺伝子発現解析の試み}, year = {2008} }