@misc{oai:repo.qst.go.jp:00069474, author = {勝部, 孝則 and 辻, 秀雄 and 小野田, 眞 and 勝部 孝則 and 辻 秀雄 and 小野田 眞}, month = {Dec}, note = {腸管内面を覆う上皮組織は,細胞同士の密着結合により管腔内有害物質が体内に侵入するのを防いでいる。この腸上皮バリア機能の変調は,多様な疾病の要因となる。我々は,ヒト大腸癌由来の上皮性細胞株Caco-2を用いて,老化や多様な疾病に関わる活性酸素や活性窒素が,生理的に生じ得る濃度で腸上皮バリアに及ぼす影響を検討した。半透性膜上に培養した単層Caco-2を過酸化水素(H2O2,36 μM) で処理したところ,次に示す(1)-(3)の腸上皮バリア機能不全の徴候が認められた。(1)細胞層の電気抵抗(Transepithelial Resistance)の低下,(2)蛍光標識したデキストランの透過性の上昇,(3)細胞間接着関連分子の発現量の低下と局在の乱れ。さらにこの時,(4)細胞間接着に関与するE-cadherin,β-catenin,ZO-1を含む多様なタンパク質のチロシンリン酸化,(5)Srcチロシンキナーゼの活性化,が誘導されていた。これらの結果から,H2O2により腸上皮バリア機能の低下へとつながる細胞内シグナル伝達系が活性化かれると考えられた。一方,H2O2と同時に一酸化窒素(NO)発生剤(NOC5, NOC12)を投与した場合,あるいは,あらかじめNO合成酵素の活性化剤(sepiapterin)で処理しておいた場合,上記(1)-(5)の細胞応答が顕著に抑制された。この結果は,H2O2に対する細胞応答を抑える,NOが活性化する新たなシグナル伝達系の存在を示している。現在このNOシグナル伝達系について解析中である。NOによるグアニル酸シクラーゼの活性化とcGMP濃度の上昇については否定的な知見が得られている。NOによるシグナル伝達分子のニトロ化やニトロソ化といった機構が関与している可能性が考えられる。, 第30回日本分子生物学会年会 第80回日本生化学会 合同大会}, title = {腸上皮バリア機能を制御する過酸化水素と一酸化窒素の細胞応答シグナル伝達系}, year = {2007} }