@misc{oai:repo.qst.go.jp:00069308, author = {高田, 兵衛 and 青野, 辰雄 and 田上, 恵子 and 内田, 滋夫 and 高田 兵衛 and 青野 辰雄 and 田上 恵子 and 内田 滋夫}, month = {Mar}, note = {はじめに 河口から沿岸は河川水と海水が混合する海域でもある。河川から河口へ流入した重金属元素は、イオン強度及びpHなどの化学的変化を受けるため、その挙動は複雑である。しかしながら河口域を含む沿岸海域における重金属元素の挙動を把握することは、海洋環境での物質循環を理解していく上で非常に重要である。そこで本研究では、日本沿岸域における河川水、海水(汽水を含む)の試料中の重金属元素や化学成分の濃度を得て、沿岸海域における重金属元素の挙動を解明していくことを目的とする。 \n方法 調査は、平成18年から平成19年にかけて1級河川を対象に河口を含む沿岸域で行った。河川における採水はポリバケツを使用した。河口域での採水には、あらかじめ酸洗浄した水平式X型ニスキン採水器を用いた。河川水及び海水はアドバンテック社製の孔径0.2 μmフィルターでろ過し、ろ液を酸洗浄した250 mlのポリエチレン製のボトルに分析用試料として分取した。そしてこの試料水はpH2以下になるように高純度硝酸を適宜添加し、冷暗所にて保存し、研究室へ持ち帰った。試料中の重金属元素の定量のために、日立ハイテクノロジー社製のノビアス(NOBIAS)キレート樹脂固相抽出剤を使用した前濃縮法を用い、試料を5-10倍に濃縮した。この試料を横河アナリティカル社製のICP-MS(Agilent 7500C)にて測定した。本分析法の有用性について、海水標準物質(NRC CASS-4)を用いて検討した。その結果、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Cd、Mo、Pbの分析値において、認証値とよく一致していた。よって、マトリックス成分が多量に存在する沿岸域の海水試料においても、効率よく分離、濃縮し分析することが可能であることがわかった。 \n 結果及び考察 ここでは京都府由良川河口から若狭湾の結果を述べる。図1に河川及び河口域の観測点における0-5mまでの、塩分に対する重金属元素の濃度を示す。また、河川水(塩分0)及び河口域の海水(塩分34)での濃度をエンドメンバーとして、両者を混合した場合(保存性の混合)に得られる直線を同図に示す。 コバルト及び銅は塩分に対しておおよそ保存的に減少した(図1-A, 1-B)。鉄は塩分0.75で若干の増加があったものの、塩分増加に伴い急激に減少した(図1-C)。これは海水の凝集作用によるものと考えられる。一方、カドミウムは塩分0から18.2の間で0.05 nMから0.13 nMと急激に増加した後、塩分34まで若干の減少傾向にあった(図1-D)。また、河川から河口域までのカドミウム濃度分布は保存性の直線に対して上に凸の傾向を示した。これは海水中の塩化物イオン等との錯形成によって、懸濁粒子からカドミウムが放出されたためではないかと考えられる。 海水中の重金属元素濃度は河口域から沖合にかけて、減少傾向もしくは一定であった。一方、沖合の底層付近で顕著な増加が見られた。これは海底質からの再溶出の可能性を示唆している。 本研究は資源エネルギー庁放射性廃棄物共通技術調査等委託費の予算で行われた。, 2008年度日本海洋学会春季大会}, title = {由良川河口―若狭湾における重金属元素の濃度分布及び挙動について}, year = {2008} }