@misc{oai:repo.qst.go.jp:00069220, author = {石井, 伸昌 and 小礒, 寛之 and 府馬, 正一 and 柳澤, 啓 and 宮本, 霧子 and 武田, 洋 and 川端, 善一郎 and 石井 伸昌 and 小礒 寛之 and 府馬 正一 and 柳澤 啓 and 宮本 霧子 and 武田 洋}, month = {Sep}, note = {河川や湖沼には細菌数を上回るウイルス様粒子が存在している。これらウイルス様粒子は、細菌や植物プランクトン等の微生物に感染し、微生物細胞を破裂(バースト)させる。そして、これが微生物細胞の死滅要因の一つである。このことから、ウイルス様粒子は水圏微生物網における重要な構成要素と言える。  水圏におけるウイルス様粒子の役割を理解するためには、まず粒子数を把握することが重要である。ウイルス様粒子の計数には、主に電子顕微鏡、フローサイトメーター、および蛍光顕微鏡が用いられてきた。特に蛍光顕微鏡を用いた方法は簡便で、海水中のウイルス様粒子の計数によく利用されている。  蛍光顕微鏡法は、サンプルを直接あるいは希釈後フィルターで濾過し、フィルター上に捕集されたウイルス様粒子を蛍光染色剤で染色し計数する方法である。ウイルス様粒子数の過小評価の懸念から、これまではサンプルのプレ濾過は行われなかった。ところが河川や湖沼中には海洋と比較して微生物細胞や懸濁粒子が多く、そのため濾過操作に多大な時間を要し、さらにはこれらの粒子がウイルス様粒子数の計数の妨害になることが考えられた。そこで、本研究では微生物細胞や懸濁粒子を除くプレ濾過の操作が河川水中のウイルス様粒子数の過小評価を導くか検討した。 \n ウイルス様粒子計数のために、モデル微生物、および野外サンプルを用いた。ウイルス様粒子のモデルとしてphage T4 (T4)を、細菌および藻類のモデルとしてBacillus subtilisとEuglena gracilisをそれぞれ用いた。野外サンプルは静水の代表として放医研プール水、流水の代表として湧別川、相模川の河川水を用いた。これらのサンプルを0.2μm孔径のセルロースアセテイトフィルターで濾過し、濾過サンプルと未濾過サンプル中のウイルス様粒子数の比較を行った。ウイルス様粒子数の計数はNoble and Fuhrman (1998)の方法に従った。 \n T4溶液をプレ濾過した結果、プレ濾過サンプル中と未濾過サンプル中のT4粒子数には統計的に有意な差はなかった。同じく、T4溶液にB.subtilisを添加したサンプル、およびB.subtilisとE.gracilisの両方を添加したサンプルにおいても、プレ濾過と未濾過サンプル中における粒子数に差は見られなかった。これらの結果から、T4サイズ(30×124 nm)のウイルス様粒子の場合、プレ濾過による計数値の過小評価はないと考えられた。  野外サンプルにおいてもモデル実験と同様の結果が得られた。つまり、野外の何れのサンプルにおいてもプレ濾過によるウイルス様粒子数の過小評価は認められなかった。計数値に有意差はないものの、わずかにプレ濾過サンプルにおいて計数値が増加する傾向が観察された。また計数値の変動係数はプレ濾過サンプルで小さくなる傾向が見られた。このことより、プレ濾過処理は計数の精度を上げる可能性が示唆された。以上の結果より、微生物細胞や懸濁粒子数の多い河川や湖沼においてウイルス様粒子を計数する場合、プレ濾過は有効な手段と考えられる。, 日本陸水学会第71回大会}, title = {蛍光染色ウイルス様粒子の計数におけるプレ濾過の効果}, year = {2006} }