@misc{oai:repo.qst.go.jp:00069175, author = {古市, 渉 and 平山, 亮一 and 古澤, 佳也 and 高瀬, 信宏 and 村山, 千恵子 and 伊藤, 敦 and 古市 渉 and 平山 亮一 and 古澤 佳也 and 高瀬 信宏 and 村山 千恵子 and 伊藤 敦}, month = {Nov}, note = {【研究背景・目的】
重粒子線の放射線作用機構に関して、一般に重粒子線のような高LET放射線では直接作用が重要であり、間接作用の寄与が小さいといわれている。しかし、重粒子線の細胞照射において、間接作用によって生成される代表的な塩基損傷である8’hydroxy 2’deoxyguanosine (8-OHdG)が有意に検出され、高LETでの間接作用の重要性が示唆された(2006年度本大会発表)。本研究では、8-OHdG生成のLET依存性について、また、4種類の粒子線を扱うことによって、同一LETでの粒子種による生成の違いを検討した。また、高LET放射線の酸素効果減少の機構の知見を得るために、大気下と低酸素下での8-OHdG生成率の違いも検討した。
【実験方法】
放射線医学総合研究所の重粒子線がん治療装置(HIMAC)より供給されたビームをヒト白血病細胞HL-60に照射し、DNAを抽出後、酵素によりヌクレオシドまで分解した。HPLCにより分離し、8-OHdGは電気化学検出器(ECD)により、またdGは紫外吸収によって定量した。8-OHdG生成率は、8-OHdG/dGとして求めた。本実験で用いたLET(keV/μm)は、炭素が20、50、80、ネオンが80、100、150、シリコンが150、200、250、鉄が440である。線量は大気下300Gy、低酸素下600Gyとした。低酸素置換は窒素95%、二酸化炭素5%の混合ガスを使用し、細胞溶液を振とうさせながら流速210ml/minで1時間吹きかけて行った。
【結果と考察】
8-OHdGの生成率はLETの増大とともに減少したが、LET50 keV/μmより高LETでは減少率が緩やかになった。しかし、最大LET440 keV/μmにおいても8-OHdGが有意に検出できたことより、高LET領域でも依然として間接作用が重要であることが示された。また、粒子種依存性については、昨年度よりさらにデータを蓄積した結果、LETが80 keV/μmにおいてネオンの方が炭素よりも8-OHdGの生成量が多かった。これは、炭素よりもネオンのpenumbra領域の方が大きいためと解釈できる。低酸素下での生成率はLETが低いところでは大気下での値の1/2程度であり、8-OHdG生成における酸素効果が確認できた。LETの増加とともに8-OHdG生成率も減少したが、約100 keV/μm以上の高LET領域では、大気下よりも減少率が小さくなる傾向が見られた。ただし、低酸素下でのデータについてはさらに再現性の確認が必要である。, 日本放射線影響学会第50回大会}, title = {重粒子線の細胞照射における8-OHdG生成:LET、粒子種、酸素依存性}, year = {2007} }