@misc{oai:repo.qst.go.jp:00068916, author = {帰山, 秀樹 and 石井, 紀明 and 日下部, 正志 and 帰山 秀樹 and 石井 紀明 and 日下部 正志}, month = {Sep}, note = {[はじめに] 海洋生態系において動・植物プランクトンは低次生産を担う生物群であり、その生物生産量は非常に大きい。特に動物プランクトンは浮魚類等に補食され、高次栄養段階へと物質およびエネルギーを転送する役割を果たしている。したがって海洋における元素の循環を論じる上でプランクトンの元素組成を明らかにすることは非常に重要である。しかしながらプランクトンの元素組成、特に微量元素濃度を分類群別に報告した知見は極めて少ないのが現状である。 そこで本研究ではKT0512航海で得た試料を用い、西部北太平洋亜寒帯域(青森県沖)に出現する動物プランクトンについて微量元素濃度を分類群別に明らかにすることを目的とした。 [材料および方法] 試料の採集は学術研究船「淡青丸」のKT0512航海(2005年5月29日〜6月7日)にて142?30’E線上、40?00’〜41?30’Nの4地点で行った。動物プランクトン試料はORIタイプネット(口径1.6 m、側長7 m、メッシュサイズ500 ?m)を用いて、水深約80mの15分間水平曵きにより得た。採集した試料は船上にて各分類群(Neocalanus属カイアシ類、オキアミ類、毛顎類、Themisto属端脚類、Cyphocaris属端脚類および混合試料)に分け、凍結保存し研究室へ持ち帰った。 試料は凍結乾燥後、高純度硝酸および過酸化水素で湿式酸分解し、ICP-MSおよびICP-AESによる元素分析に供し、18元素 (Ag, Al, Bi, Cd, Ce, Co, Cs, Cu, Fe, Gd, La, Mn, Nd, Pr, Sr, Th, UおよびZn) についてその濃度を明らかにした。 [結果および考察] 分類群別に定量した元素の平均濃度 (?g/g DW) の最小値および最大値はいずれもCyphocaris sp.に認められ、それぞれトリウムの5×10-5およびストロンチウムの7×102であった。また、各元素の平均海水濃度から求めた濃縮係数 (CFSW) は5.4(毛顎類のストロンチウム)から1.3×106(Themisto spp.の鉄)まで7桁変動した。これらの値は日本海 (Masuzawa et al., 1988) および房総半島沖 (Marumo et al., 1998) で報告されている値とほぼ同じレベルであった。甲殻類プランクトンについて比較すると多くの元素について、端脚類の濃度はカイアシ類およびオキアミ類の濃度よりも高かった。すなわち肉食性種の方が植食性種より元素濃度が高い傾向にあった。一方、毛顎類の濃度は多くの元素について甲殻類プランクトンよりも低い値を示したが、一部甲殻類プランクトンよりも高い値を示した(例えばセシウムなど)。 また、海洋における河川水流入に対する元素の平均滞留時間 (τR) と、動物プランクトンの濃縮係数との対数-対数プロットに、傾きがほぼ-1となる直線性があることがMasuzawa et al.(1988)により報告されている。図は本研究で得られた毛顎類、オキアミ類およびThemisto spp.の各元素の濃縮係数と平均滞留時間の対数-対数プロットである。いずれの分類群についても、高い負の相関(r2 ? 0.82)が認められ、傾きは-0.85〜-0.99であった。このような負の相関が認められたことは、海洋における滞留時間の短い元素は海水から動物プランクトンへと移動する生化学的反応性が高いことが考えられ、海水から動物プランクトンへの濃縮が大きいことを示唆する。, 海學問‐白鳳丸・淡青丸研究成果発表会‐}, title = {西部北太平洋亜寒帯域に出現する動物プランクトンの微量元素濃度}, year = {2006} }