@misc{oai:repo.qst.go.jp:00068859, author = {石井, 洋子 and 辻, 秀雄 and 石井 洋子 and 辻 秀雄}, month = {Jul}, note = {マウスを放射線で照射すると、さまざまな組織の腫瘍が誘発される。放射線発がん過程を理解するために、関与するがん遺伝子やがん抑制遺伝子の同定、がんの発生率を左右する遺伝性要因、およびがん関連遺伝子の変異の機構の同定が重要である。また、放射線発がんに閾値が存在するかを調べることも重要である。我々はマウスの胸腺リンパ腫をモデル腫瘍として、上記の課題を調べたので報告する。  ScidマウスはDNA-PKcs遺伝子に突然変異を持ち、DNA二重鎖切断修復活性が著しく低く、放射線感受性でリンパ系の腫瘍(特に胸腺リンパ腫)を多発する。Scidマウスと野生型マウスの胸腺リンパ腫の線量効果関係を検討したところ、scidマウスで低線量域を含め直線二次式がよくあてはまった。線量効果関係から、野生型では1Gyに閾値が存在するのに対して、scidマウスでは0.1Gyまで閾値が存在せず、0.1Gy以下は不明であった。臓器の腫瘍発生をしらべ、組織学的検索を行なったところscidマウスに特異的な腫瘍は胸腺リンパ腫のみでありDNA二重鎖切断修復欠損と固形腫瘍発生の関係は見い出すことができなかった。この実験系では胸腺リンパ腫多発による「死因の競合」が避けられないので、野生型マウスの骨髄細胞をscidマウスに移植して、胸腺に供給される前駆T細胞を野生型に胸腺リンパ腫発生の抑制のもとに固形腫瘍発生を調べた。1Gyを照射した骨髄再建系でもscidマウスに特異的な放射線誘発固形腫瘍発生は認められなかった。従ってDNA-PKcs依存性の二重鎖切断修復の不全は放射線誘発固形腫瘍の発生に関与しないと推定される。胸腺において固形腫瘍発生と違いを生じるような発がん機構は何か、更に詳細に検討した。  Notch 1はT細胞の増殖分化に重要な情報伝達系の細胞膜タンパク質をコードする遺伝子であるが、マウス胸腺リンパ腫においては高度に再編成を起こしており、その変異産物は胸腺リンパ腫発生において重要ながん遺伝子として働くことがわかった。更に放射線誘発胸腺リンパ腫におる変異様式を詳細に調べたところ、scidマウスでは野生型と異なる変異機構が存在した。Rag2欠損マウス、Rag2 scid二重変異マウス、Atm欠損マウスなどDNA二重鎖切断修復の欠損マウスの胸腺リンパ腫発生とNotch 1の変異についても調べた結果を報告する。, シンポジウム「内・外環境と生体応答」}, title = {DNA二重鎖切断修復欠損マウスを用いた放射線発がん研究}, year = {2006} }