@misc{oai:repo.qst.go.jp:00068285, author = {伴, 貞幸 and Stefano, Bonassi and Michael, Fenech and 今井, 高志 and 伴 貞幸 and 今井 高志}, month = {Nov}, note = {(序) 我々は、大規模な国際共同研究によって、染色体不安定性が人種を超えた‘がんリスク’を予測するためのマーカーになるかどうかを調べている。本研究では、自然および放射線誘発小核頻度が発がんリスクと関連があるかどうかを検討した。 (材料・方法と結果) 自然小核頻度と発がんリスク: ヒト小核国際共同研究プロジェクト(HUMN)のデータベースから、(1)査読審査を受けて国際雑誌に発表された、(2)採血時に血液提供者はがんに罹患していなかった、(3)血液提供者のがん罹患率および死亡率について信頼できる追跡調査ができている、ことの3条件をクリアしたデータセットを抽出した。対象者は、10カ国12研究所で1978−2002年に調べられた6,729人で、この中、現在までに268人が何らかのがんを発症していた。自然小核頻度は、低、中、高レベルの3段階に分類した。低レベル集団に比べて、中高レベル集団では膀胱がんと腎臓がんのリスクが有意に高かった(p=0.04)。がん歴のない集団の生存率は、中高レベル集団に比べて低レベル集団で有意に高かった(p=0.002)。 放射線誘発小核頻度と発がんリスク: 日本人の一般健常人48名、乳がん患者130名、子宮頸がん患者31名から採血した抹消血に0または2GyのX線を照射後、小核頻度を求めた。放射線誘発小核頻度には大きな個人間変動が見られた。しかし、各グループ間の平均値と変動幅は、一般健常人群に比べて乳がん患者群では有意に高く(p<0.001)、子宮頸がん患者群では有意に低い(p<0.001)値が得られた。乳がん患者群に放射線高感受性のヒトが多く含まれているということは、人種の違いを超えて多くの国・地域で確認されている。 (考察) 自然小核の多くは染色体の不均等分配で細胞質に残された染色体であり、放射線誘発小核の多くはDNA二本鎖切断(DSBs)が再結合されないことによって生じた染色体断片であると考えられている。我々の結果は、染色体不均等分配とDSBsに起因する染色体不安定性が‘がんリスク’と関連していることを示唆する。同時に、本報告はがんリスクを予測するための分子マーカーを探す研究に有用な情報を提供すると思われる。 (謝辞)本研究で解析したデータの一部は(財)放射線影響研究所およびHUMNから提供された。S. BonassiはEU Program Cancer Risk Biomarkersから研究資金援助を受けた。, 第28回日本分子生物学会年会}, title = {自然および放射線誘発小核頻度で予測するヒトがんリスク}, year = {2005} }