@misc{oai:repo.qst.go.jp:00067972, author = {伴, 貞幸 and 今井, 高志 and 伴 貞幸 and 今井 高志}, month = {Dec}, note = {ヒト癌由来細胞の放射線感受性を文献上で検索すると、同じ細胞でも発表者によって非常に異なる評価がされている場合がある。そのようなデータは放射線感受性に関連する研究には使えない。我々は、放射線感受性関連遺伝子探索に関する研究を行うことを目的に、ヒトの各種癌組織由来54細胞株の放射線感受性を、細胞培養、放射線照射、生存率評価の一連の作業条件・基準をほぼ一定にしたコロニー形成法で調べた。各細胞株の放射線感受性は、D0、Dq,D10の指標で評価・分類した。細胞株間における放射線感受性には大きな変動が見られた。各指標の線量範囲およぼ平均±SDは、D0:0.6-3.6Gy, 1.4±0.6Gy; Dq:-0.1-3.4Gy, 1.6±0.7Gy; D10:2.1-9.7Gy, 4.9±1.4Gyであった。一つ以上の指標において小さな値を示したのがKYSE190, HCC1937, MDA-MB-468, Capan-1, HCT116, SW48, LoVo, PLK182Ca, PLK202Caの9株であった。特に、HCC1937とKYSE190は最も高い感受性を示した。HCC1937はBRCA1に、Capan-1はBRCA2に突然変異を持っていることが知られている。HCT116, SW48, LoVo, PLK182Ca, PLK202Caの5細胞株はミスマッチ修復(MMR)遺伝子に突然変異を持っている。MMR遺伝子と放射線感受性との関連はまだあきらかではないが、MMR遺伝子に突然変異を持つ細胞では異常なMre11蛋白質が産生されるという報告がある。 我々は、KYSE190のATMとDNA-PKcsにアミノ酸置換を伴う突然変異のあることを見出している。BRCA1, BRCA2, Mre11, ATM, DNA-PKcsのいずれもDSBs修復に関わる蛋白質である。MDA-MB-468のDqは0Gyであったが、D0は2.0Gy, D10は4.7Gyと小さくはなかった。この細胞集団中にはBRCA1蛋白質発現の低い細胞が含まれていた。すなわち、細胞集団中の放射線感受性が不均一であり、低線量域でまず高感受性の亜集団細胞が致死的損傷を受けていると思われる。これら9株以外の45細胞株間でも放射線感受性の大きな変動が観られる。その原因はまだまったくわからないが、既存のDSBs修復遺伝子以外の遺伝子(群)の関与がると思われる。本研究での結果は、ヒト癌細胞の放射線感受性に関連する研究に携わる研究者に有用な材料と情報を提供できるものと思われる。, 第27回日本分子生物学会}, title = {放射線感受性関連遺伝子探索のための、培養されたヒト癌細胞54株の放射線感受性を指標とした分類}, year = {2004} }