@misc{oai:repo.qst.go.jp:00067537, author = {高萩, 真彦 and 高萩 真彦}, month = {Oct}, note = {ヒト細胞のDNA 二本鎖切断再結合修復経路(NHEJ)は、DNA依存性プロテインキナーゼ(DNA-PK)構成蛋白質によって機能調節されるが、その詳細については不明な点が多い。生化学的な解析から、構成因子であるKuの存在様式がリガーゼ複合体の活性を正または負に制御することや、DNA-PKcsのキナーゼ活性が末端結合(end-joining)反応と密接に連携することが示されてきた。試験管内アッセイ系で検出されるend-joining活性は、細胞抽出液の分画に伴ってDNA-PK依存性の低下あるいは消失に至ることが複数の研究室から報告されている。従って、NHEJ経路におけるDNA-PKの役割を知る上で、分析的なアプローチを進めるには制約があった。本研究では、この問題の在り様を問うかたちで、DNA-PKに依存したend-joining活性を高度に分離する条件について検討を行った。 ヒト培養細胞を用いてカラム分画を行った場合、DNA-PKに依存するend-joining活性は特定の画分に濃縮されることはなかった。そこでこの点を回避できる材料としてヒト胎盤組織が選ばれた。核酸成分を除いた核抽出液はまずDNAアフィ二ティ・カラムに供された。目的の活性はその吸着成分として得られ、続いてmono Qカラムにかけられた。これにはDNA-PKcsならびにKuが結合したが、end-joining活性は保持されなかった。Mono Qカラムを素通りした成分は、タンデムに連結したmono Sカラムに導入された。これを素通りした画分にはend-joining活性は認められなかったが、mono Sカラムの吸着成分には強い活性が見出された。この活性は、wortmanninによる阻害を受けないが、mono Q吸着成分の添加によりその影響を現した。同様に、精製したDNA-PKcsとKuを共存させた場合にもwortmannin感受性を示した。以上の結果は、DNA-PKとは独立して、目的のend-joining活性が高度に分離されることを示す。得られた活性は、精製リガーゼ複合体とは異なり非常に高いものであり、リガーゼ活性を調節する未知の因子の存在が示唆された。現在このend-joining 活性のさらなる分離を試みている。, 日本放射線影響学会第46回大会}, title = {ヒト胎盤細胞における DNA-PK 依存的な DNA 二本鎖切断再結合活性の分離}, year = {2003} }