@misc{oai:repo.qst.go.jp:00067531, author = {村松, 康行 and 吉田, 聡 and 山崎, 慎之介 and 村松 康行 and 吉田 聡 and 山崎 慎之介}, month = {Oct}, note = {土壌中に存在するプルトニウムは主として核実験フォールアウトに起因するものである。プルトニウムの同位体のうち環境中における存在量が多いものは239Pu (半減期: 24110 年) と 240Pu (半減期: 6580 年) であるが、αスペクトロメトリーでは239Puと240Puの分離測定は困難なこともあり、240Pu/239Pu比に関するデータは少なかった。我々は、化学分離後、ICP-MSで測定する方法を用い、チェルノブイリ周辺やマーシャル諸島などの汚染地の土壌試料の分析を行った。 その結果、各汚染地においてPuの起源に対応し、0.03 ミ 0.4と広い範囲の240Pu/239Pu比が観察された1)-3)。  また、日本各地の土壌中の240Pu/239Pu比を調べたところ、原爆投下のあった長崎を除き、0.17-0.18程度(平均0.18)4)であり、Kreyら(1976)が報告している世界各地(60ヶ所)の平均値(0.176±0.014)に近い値が得られた。世界各地の土壌中の240Pu/239Pu比がほぼ同様といっても、はたして均一な化学形態で土壌中に加わったのか?さらに、土壌中ではどのような化学形態で存在するのか?は不明である。  ここでは、土壌から酸の濃度を変え逐次抽出したフラクションをICP-MS法で240Pu/239Pu比を測定した結果や、深度別の240Pu/239Pu比の違いを調べた結果について紹介する。 土壌からのPuの分離は、硝酸抽出の後、イオン交換樹脂(Dowex 1×8)で分離濃縮する方法をとった1)。測定は二重収束型ICP-MS(Finnigan MAT ELEMENT)を用いた。検出感度は、測定溶液中の濃度として、0.001 ppt (pg/ml)であった。またマイクロフローネブライザーを用いることにより、試料溶液の量を0.4mLまで下げることができた。 土壌中におけるPuの存在形態を調べるために、抽出剤の濃度や種類を変え、土壌から抽出されるフラクション別のPu同位体比を調べた。試料としては、青森の土壌と長崎西山地区の土壌(Pu爆弾の影響が見られる試料)を用いた。酸の濃度(硝酸0.3M, 4M, 8M)を変え、逐次抽出されるPu量と240Pu/239Pu比を測定した結果は次の通りである。青森の土壌では、0.3M硝酸を加え2時間室温で放置することにより約10%のPuが抽出され、 次に、4M硝酸を加え2時間おくと合計約60%が抽出された。更に、8M硝酸で煮ることにより合計約95%が抽出された。(西山地区の土壌では硝酸に溶けにくいフラクションはこれよりも多い傾向にあった。)また、抽出後の残渣をフッ化水素酸+過塩素酸で分解し、次に残りを、アルカリ溶融をし、硝酸で溶け難いPuの240Pu/239Pu比を調べた。逐次抽出されるフラクションと240Pu/239Pu比の関係を見ると、薄い酸で抽出されるものは比が高く、濃い酸で抽出されるものの方が低い値であった。これらの結果から、土壌中には異なる240Pu/239Pu比を持ったPuの分画が異なる形態で存在することが推定された。また、240Pu/239Pu比と深度分布の関係から、形態別にみたPuの動態についても基礎的なデータが得られた。, 第47回放射化学討論会}, title = {プルトニウムの土壌中における存在形態と240Pu/239Pu比}, year = {2003} }