@misc{oai:repo.qst.go.jp:00067470, author = {土居, 雅広 and 土居 雅広}, month = {Sep}, note = {環境における放射線、放射性物質の管理原則は、従来、人の健康影響評価を基に、確定的影響(急性障害)を防止し、確率的影響(発がん、遺伝的影響等の晩発性障害)を合理的に達成できる限り低減化するという考え方で行われてきた[国際放射線防護委員会勧告 1977, 1990]。ヒト以外の生物種については、ヒトが、急性致死障害を影響評価点とした生物種間比較において、あらゆる生物種のなかで最も放射線感受性が高い [急性致死線量をエンドポイントとした比較、Sparrow 1967, UNSCEAR 1996] ことから、人の健康影響の管理原則が適用されている「環境」において、他の生物種に「目に見える」影響は生じないと考えられてきた。これまでのところ、実際に「放射線防護・管理が及んでいる範囲」の実際の環境において、観察可能な調査対象に関する限り、環境中の放射線・放射性物質が、人以外の生物種に害を与えたという明らかな証拠は見つかっていない。しかしながら、観察が容易でない人以外の生物への潜在的な影響の有無については、生態学的な影響調査によって検証し、確認することが求められる。 すべての生物種個体、個体群、群集、生態系を日常的な調査、防護管理の対象とすることはできないことから、対象とする環境生態系を構成する個々の生物種(科)の個体について(1)代謝や易動度(走性等)等への影響(Morbidity)、(2)致死性の影響(Mortality)、(3)生殖成功率の低下(reproductive success)、(4)細胞遺伝学的な遺伝子損傷(effects on cytogenesis)、等を影響評価点とした調査実験データを多角的に取得してマトリクスとして整理する研究プロジェクトが進んでいる。さまざまな生物種(科)のなかから、指標(レファレンス)生物種を選定する規準を整理して、これら個体影響から、個体群、群集、生態系への影響を「持続可能性(Sustainability)へのインパクト」として、個体群の絶滅、多様性の喪失、生物の個体数とバイオマス量の変動、物質循環速度の変動、等を推定評価する方法論の検討が求められている。 ここでは、独立栄養原生動物、従属栄養原生動物、分解微生物の三種水系マイクロコズムへの放射線照射の影響を、個体ベースモデルによる計算機シミュレーションに適用して検討した。単独培養した個々の微生物種への放射線照射実験により、個体レベルの代謝パラメータについて線量効果関係を明らかにした。急性致死線量よりも低い線量で生じる代謝生理/探餌行動の変化をシミュレーションした結果に基づき、個体レベルでの変化が、内的増殖率、環境収容力といった個体群、群集レベルの安定性因子に与えるインパクトを推定するモデルを提示する。, 第13回数理生物学シンポジウム}, title = {個体ベースモデルを用いた微生物群集への放射線照射のインパクト解析の試み}, year = {2003} }